1999 Fiscal Year Annual Research Report
職場のメンタルヘルス対策に対する効果的アプローチ法の検討について
Project/Area Number |
11670375
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
永田 耕司 長崎大学, 医学部, 講師 (60253647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 泰一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60010005)
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Keywords | 職場 / メンタルヘルス / 健康教育 / コミュニケーション / ストレス / グループワーク / カウンセリング / 質問紙調査 |
Research Abstract |
職場のメンタルヘルス対策に対する効果的なアプローチ法を検討するために、以下のことを行った。1)300名規模の職場で全員に自覚症調査を施行した。その後、そのうちストレス高得点群40名、低得点群40名に対して面談を行った。2)10職場においてメンタルヘルスに関する健康教育を課長・係長クラスに対して行った。健康教育はグループワークを取り入れ、事例に関しては日常遭遇しやすいケースで行った。3)5000名の職場で相談室を設置し、気軽に相談しやすくするためのいくつかのアプローチを行った。また面談の際の有効なアプローチ法についても検討を行った。 【[結果】 高ストレス群であっても面談希望者は少なかった。女性や若年者の相談はあったが、中年男性の希望者は少なかった。しかし、呼び出し面談後、精神衛生上問題のあるケースは管理職の中高年男性に多かった。また質問紙の高い群が必ずしも高ストレスではないことが判明した。グループワークでは活発な意見交換になった。受講者によっては管理職にカウンセラー的役割をもつことに疑問をもつ人もいた。事例では職場の人間関係の修復のための手段探しの意見が多かった。またメンタルヘルス対策で効果的だったのは1)「ストレス相談」にしたこと 2)家族の相談も応じたこと 3)顔写真を入れての広報 4)管理職へのグループワークを交えての健康教育等が考えられた。 面談の際は1)カウンセリング的対応 2)症状や病気についての具体的説明 3)職場環境へのアプローチ 4)外部医療期間との連携 5)継続的かつ柔軟な対応 6)職場復帰のルールづくりの以上が大切であると示唆された。面談事例の中でうつ病の受診するケースも多かった。プライマリケアの場でのうつ病の早期発見・治療の必要性が示唆された。さらに、これらの結果をふまえ、メンタルヘルスに関する質問票を都道府県・市町村の3300自治体に配布・回収中である。
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