2001 Fiscal Year Annual Research Report
運航スケジュールおよび乗船勤務期間と船員労働負担との関係に関する研究
Project/Area Number |
11670381
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
坂村 修 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (80264711)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 憲秀 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (10137119)
井谷 徹 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (00072661)
|
Keywords | 船員 / 乗船日数 / GHQ |
Research Abstract |
乗船日数と休暇日数による負担感の相違をGHQテストをもちいて内航船の船員291名を対象に2000年2月に実施した。質問紙は主に対象者の属性とGHQ12項目から構成されたものを作成した。これを各船社を通じて本船に送付し、必要項目を記入後、本船から各船社を通して回収を進めた。こちらは主として乗船勤務の長さや休暇の長さと疲労状態との関係をみるためにGHQをもちいて精神的疲労度を中心に調査した。 有効回答は287名から寄せられ、平均年齢は46.12歳(±10.35)であった。各世代別には20歳代31名(10.7%)、30歳代が36名(12.4%)、40歳代が85名(29.3%)、50歳代が119名(41.0%)、60歳代以上が16名(5.5%)、不明3名(1.0%)であった。 平均乗船日数は107.59日(±56.32)であった。乗船期間は1ヶ月未満が10名(3.4%)、1ヶ月以上2ヶ月未満が22名(7.6%)、2ヶ月以上3ヶ月未満が106名(36.6%)で3ヶ月未満が全体の半数であったが、多くの場合、3ヶ月乗船して休暇というのが労使協定であることからこのような数字になった。.しかし3ヶ月以上4ヶ月未満74名(7.6%)もみとめられた。 先回の陸上休暇における休暇日数の全体平均は44.57日(±23.09)であった。これを週単位でみると5週間、6週間がもっとも多く双方合わせて全体の3割強であった。 GHQ得点の全体平均は26.16(±4.50)であった。船種の違いによるGHQ得点に有意差はみられなかった。乗船期間別にこれをみると1ヶ月未満が23.60(±6.65)、1ヶ月以上2ヶ月未満が24.82(±4.58)、2ヶ月以上3ヶ月未満が26.75(±4.20)、3ヶ月以上4ヶ月未満が25.94(±4.46)、4ヶ月以上5ヶ月未満が26.69(±4.76)、ヶ月月以上6ヶ月未満が28.38(±3.20)、6ヶ月以上が26.55(±4.71)で2ヶ月以上3ヶ月未満と5ヶ月以上6ヶ月未満とで高得点であったが有意差はみられなかった。 前回陸上休暇期間別では1週間未満が23.86(±5.58)、1週間以上2週間未満が25.40(±1.14)、2週間以上3週間未満が26.35(±5.52)、3週間以上4週間未満が25.78(±3.18)、4週間以上5週間未満が26.57(±4.71)、5週間以上6週間未満が27.03(±4.62)、6週間以上7週間未満が25.56(±3.60)、7週間以上8週間未満が25.87(±5.78)、8週間以上9週間未満が28.44(+4.04)、9週間以上10週間未満が25.64(±3.43)、10週間以上が25.86(±4.06)であった。このうち3週間以上4週間未満、6週間以上7週間未満、9週間以上10週間未満、10週間以上の各群と8週間以上9週間未満との間で有意差が認められた。 GHQ得点においても見られ3〜4ヶ月目における低下と6ヶ月以上における低下が見られるのはやはり勤務に対する慣れの効果であることが考えられた。 乗船期間ならびに休暇期間とGHQ得点とは必ずしも正の相関関係になく周期性もって上下していたが、連続乗船勤務による疲労の蓄積と、ある期間を過ぎて生ずる乗船勤務に対する「慣れ」が作用した結果このような調査結果になったことが考えられた。今後は1昨年ならびに昨年の調査結果などと併せて検討を進める。
|