2000 Fiscal Year Annual Research Report
ベーチェット病の病因に関する研究-HLA B51とその他の遺伝的素因との関連
Project/Area Number |
11670388
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
西山 緑 獨協医科大学, 医学部, 助手 (70265320)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中江 公裕 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60010112)
高橋 雅典 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (70103356)
栗山 孝雄 獨協医科大学, 医学部, 助手 (30257175)
|
Keywords | ベーチェット病 / 男女比 / HLA-B51陽性率 / 中東諸国 / 家族内発症 / 眼症状 / 出生年 / 発症年 |
Research Abstract |
A.過去の調査及び文献的検索にてべーチェット病の疫学像は下記の如くである。 1.日本のベーチェット病患者のHLA-B51陽性率は、71.4%(1972)、58.1%(1984)、54.9%(1991)と減少傾向にある。 2.日本のベーチェット病患者の男女比は、1.36(1972)から0.98(1991)と減少した。 3.世界各国との比較では、トルコではベーチェット病患者のHLA-B51陽性率は79.0%と最も高く、次いでサウジアラビアの72%、イラクの62.0%が続く。韓国や中国の東アジアでは、日本なみである(韓国:58.3%,中国:56%,台湾:53.3%)。南アジアのインドは30%と、アジアの中では低率である。 4.男女比は、トルコ(3.96),イスラエル(3.80),サウジアラビア(3.41),クウェート(3.14)など中東諸国で、非常に高く、男性の有病率は女性の約3倍である。 5.HLA-B51陽性率とベーチェット病の臨床像比較したところ、男性患者、完全型、眼症状のある患者で高率であり、女性患者、不全型、眼症状なしの患者で低率であった。 B.家族内発症調査で眼症状のあるなしで比較したところ以下のことが判明した。 1.眼症状あり群のHLA-B51陽性率は64.0%、なし群は14.3%であった。 2.眼症状あり群の出生年は1943.05±10.16、平均発症年は1973.3±10.15年であり、なし群の出生年は1951.38±14.74、発症年は1981.3±8.78年であり、有意差が見られた。 3.眼症状なし群では、外陰部潰瘍を伴うものの割合が、有意に高かった(χ2検定にてp<0.05)。 4.家族内発症者の続柄は、有意差はないものの眼症状なし群で親子が多く、特に母子発症者が多い傾向が見られた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Midori Nishiyama et al.: "An Epidemiological Review of Behcet's Disease in Asia"Asian Medical Journal. 43・10. 497-507 (2000)
-
[Publications] Midori Nishiyama et al.: "A Study of Familial Occurrence of Behcet's Disease With and Without Ocular Lesions"Japanese Journal of Ophthalmology. 45・3. (2001)