2000 Fiscal Year Annual Research Report
アリルの父あるいは母由来を識別する方法-ゲノムインプリント機構の利用-
Project/Area Number |
11670409
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
内藤 笑美子 新潟大学, 医学部, 助手 (80018811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出羽 厚二 新潟大学, 医学部, 助教授 (10197832)
山内 春夫 新潟大学, 医学部, 教授 (30134919)
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Keywords | 親子鑑定 / PCR法 / リピート配列 / 多型 / メチル化 / インプリンティング |
Research Abstract |
現在、法医学における個人識別や親子鑑定では、PCR法によるDNAのリピート配列の多型分析が一般的となっている。ヘテロタイプの人では、父と母からそれぞれ由来する2本のPCRバンドが検出されるが、どちらがどちらの親からのものであるかは不明で、家族のタイピングを行って初めて由来を知ることができる。一方、遺伝学の分野では、哺乳類ゲノムにはインプリンティングにより父親由来または母親由来のいずれかがマークされ、一方だけの遺伝子が発現されるものがいくつか同定され、この機構にはDNAのメチル化が大きく関与していることが報告されている。本研究では、このインプリント機構を利用して一個人をタイピングするだけで父親または母親由来のアリルを同定することを目的としている.我々は、まずインプリントを受けている遺伝子について、両親でメチル化に差を生じている領域内に認められるリピート配列部位をDNAデータベースから検索した。そのうち、H19gene近房のG-richなVNTR(ミニサテライト)部位に注目し、日本人200名からDNAを抽出し、本部位の多型解析を行い個人識別への有用性について検討した。 その結果、5′H19 flankingのVNTRは日本人において、29bpの配列が6〜12回繰り返している7種類のアリル(391〜565bp)が検出された。頻度は、9回繰り返しのアリルが47.5%と高頻度であった。次に7回繰り返しのアリルが22.1%、その他は約6〜9%であった。また、ヘテロ接合度は0.749、PIC値は0.669、DP値は0.870であった。各表現型分布のχ^2検定ではHardy-Welnbergの法則に適合していた(p>0.100)。この多型を骨の身元確認のため、8名の血縁者に応用したところ血縁関係に矛盾のない結果が得られた。以上から、このVNTR座は日本人の個人識別に有用であることが示され、各個人のアリルの父母由来を同定する方法の良いターゲットとなることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Emiko Naito: "A novel dimorphism in the human SRY gene usefulness in human migration studies"International Journal of Legal Medicine. (2001)
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[Publications] Gotaro Watanabe: "A novel technique for detecting single nucleotide polymorphisms by analyzing consumed allele-specific primers"Electrophoresis. 22. (2001)
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[Publications] Isao Yuasa: "Distribution of a C-to-T Polymorphism in the Sex-Determining Region Y (SRY) Gene"Progress in Forensic Genetics 8. 321-323 (2000)
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[Publications] 内藤笑美子: "Y染色体上の3種類のbiallelic markerのハプロタイプ分析"DNA多型. 8. 165-166 (2000)
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[Publications] Yoshiharu Honma: "Identification by histological and microsatellite analyses of a stranded Beaked whale as that struck previously by a jetfoil operating in the Sea of Japan"Fisheries Science. 65. 547-552 (1999)