1999 Fiscal Year Annual Research Report
SLEの自己抗体の中で最も早期に出現する抗ヌクレオリン抗体の意義
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11670454
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
蓑田 清次 自治医科大学, 医学部, 教授 (30211593)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 自己抗体 / MRL / lprマウス / NZB / W F1マウス / 抗DNA抗体 / 抗ヌクレオリン抗体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、SLEにおいてトレランスを破壊しその後のepitope-spreadingを引き起こすきっかけとなる自己抗原、すなわち最も早期に出現する自己抗体のターゲット分子を同定することである。SLE患者が病院を訪れる時期にはepitope-spreadingは非常に大きなものとなっている(自己抗体の種類が非常に増加している)ために、自己免疫現象を開始させる分子を同定することをヒトにおいて研究することは困難である。ループスモデルマウスであるMRL/lprマウスとNZB/W F1マウスを用いて、まだ自己抗体が産生されていない生後まもなくから個々のマウスを経時的に繰り返し採血することにより重要分子を同定する。 生後まもなくから採血を上記の同一マウスで繰り返し、産生される自己抗体を検出すると、ほとんどのマウスが分子量150kD,110kD,75kD,55kDの自己抗原に対して早いものでは生後約4週後から産生していた。SLEを特徴づける抗DNA抗体の出現は、上記4種類の抗原に対する自己抗体の出現と大体時を同じくするかあるいはそれ以後であった。自己抗体の反応する自己抗原の数は病気の進行とともに増加していった。ヒストンに対する抗体の出現は8週以後と比較的後期に出現した。 抗体による吸収試験や免疫沈降法などの方法を用いて現在110kD蛋白の同定を試みているが、核小体抗原であるヌクレオリンである可能性が高い。ヌクレオリンはGranzymeAのターゲットであったり、自己抗体がウイルス感染症で出現するので病因を検討する上で興味深い。
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[Publications] Ikeda,U.,Ikeda,M.,Minota,S.,Shimada,K.: "Homocysteine increases nitric oxide synthesis in cytokine-stimulated vascular smooth muscle cells"Circulation. 99. 1230-1235 (1999)
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[Publications] Masuyama,J.,Yoshio,T.,Suzuki,K.,Kitagawa,S.,Iwamoto,M.,Kamimura,T.,Hirata,D.,Takeda,A.,Kano,S.,Minota,S.: "Characterization of the 4C8 antigen involved in transendothelial migration of CD26hi T cells after tight adhesion to human umbilical vein endothelial cell monolayers"J.Exp.Med. 189. 979-989 (1999)
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[Publications] Minota,S.,Horie,S.,Yamada,A.,S Iwamoto,M.,Yoshio,T.,Mimori,A.,Masuyama,J.,Kano,.: "Circulating myeloperoxidase and anti-myeloperoxidase antibody in patients with vasculitis"Scand.J.Rheum.. 28. 94-99 (1999)