2000 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシン1-7のヒトにおける血管作用と心血管病治療への関与
Project/Area Number |
11670697
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
植田 真一郎 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80285105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 英司 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30153753)
戸谷 義幸 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30237143)
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Keywords | アンジオテンシン1-7 / ブラジキニン / アンジオテンシンI / アンジオテンシンII / アンジオテンシン変換酵素 / 本態性高血圧 |
Research Abstract |
ヒト前腕抵抗血管においてアンジオテンシン1-7はブラジキニンの血管拡張作用を用量依存性に増強させたがこの作用ははL-NMMAの同時投与により消失したことから一酸化窒素(NO)に依存するものと考えられた。この作用はまたACE阻害薬(enalapril5mg)投与下は消失したがアンジオテンシンタイプ1受容体拮抗薬(candesartan8mg)投与下では認められたことからアンジオテンシン(1-7)はACE阻害作用を有しACE阻害薬と同様の機序でブラジキニンの血管拡張作用を増強すると考えられる。次にアンジオテンシン(1-7)がin vivoでACE阻害作用を有するか否か検討した。アンジオテンシン(1-7)の動注(1000pmol/min)によりアンジオテンシンIの血管拡張作用は有意に抑制された。これはアンジオテンシン(1-7)のアンジオテンシンIIの血管収縮の抑制で補正したのちも認められた。したがってアンジオテンシン(1-7)は内因性のACE阻害薬である可能性がある。 血中のアンジオテンシン(1-7)、II濃度をACE阻害薬を半年以上投与中の20名の本態性高血圧患者において測定した。対照としてACE阻害薬,アンジオテンシンタイプ1受容体拮抗薬を除く降圧薬を服用中の患者においても測定した。アンジオテンシンII濃度は両群間に差がないがアンジオテンシン(1-7)はACE阻害薬投与群において有意に高値であった。このことは慢性的にACE阻害薬はアンジオテンシン(1-7)の産生を増加させそれが降圧効果に貢献している可能性がある。
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[Publications] Ueda et al: "Angiotensin-(1-7) attenuates vasoconstriction evoked by angiotensn II but not noradrenaline in man"Hypertension. 35. 998-1001 (2000)
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[Publications] Ueda et al: "Angiotensin-(1-7) potentiates vasodilating effect of bradykinin in man"Journal of Hypertension. (in press).