1999 Fiscal Year Annual Research Report
エンドセリンを標的とした非ウイルス遺伝子治療法と血管病変、血管作動性に関する研究
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11670724
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
野元 淳子 福岡大学, 医学部, 助手 (50299559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出石 宗仁 福岡大学, 医学部, 助教授 (20131807)
自見 至郎 福岡大学, 医学部, 助手 (30226360)
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部, 講師 (40183371)
熊谷 浩一郎 福岡大学, 医学部, 講師 (10248510)
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Keywords | 遺伝子治療 / エンドセリン / 血管 / CETP / ベクター |
Research Abstract |
血管病変は血管内皮で産生、放出される種々の血管作動性物質の様々な関与により成立するが、中でも血管弛緩因子としてのプロスタサイクリン(PGI_2)や一酸化窒素(NO)、血管収縮因子としてのトロンボキサンA_2やエンドセリン(ET)が重要であり、それぞれに病態生理学的研究がなされている。現在知られている血管収縮因子の中で最も強力で長時間作用する血管作動性物質であるETは、高血圧症、血管攣縮に重要な役割を演じることが明らかにされ、病態生理学的にも細胞増殖および遊走作用など動脈硬化症発症、進展に関与すると示唆されている。血管の生理学的作用は、十分な量の循環血液を末梢組織へ供給することにある。動脈硬化症はその血管の生理作用を胞弱化させ、結果的に内腔の狭窄、収縮弛緩反応の異常を引き起こす。高血圧症はこの過程を更に悪化させる。そこで本研究ではET遺伝子、又はET受容体遺伝子を標的として、それを操作することにより、血管トーヌスを減少させ、その治療戦略が高血圧症+動脈硬化症の治療法として利用可能か否かを検討したい。遺伝子治療の方法として遺伝子の運び屋:ベクターとして、私達は合成ペプチドdiC_<18>-Gly-apoEを用いた。これはLDL-受容体と結合するアポ蛋白Eの129-169のペプチド合成物のN末端をパルミチック酸でアシル化し,さらにグリシンでアルキル化し、よりコンデンスさせLDL受容体に結合しやすくした。これにtargetとしてET1/2アンチセンスを結合し、ET1/2アンチセンス-apoE peptide complexを用いる。現在、以前合成したペプチドが不足しているため、diC_<18>-Gly-apoE(dpGapoE)ペプチド合成に関する研究を行っている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kan Liu,Jiafu Ou,Keijiro Saku,et al.: "Efficient Nuclear Delivery of Antisense Oligodeoxynucleotides and Selective Inhibition of CETP Expression by Apo E Peptide in a Human CETP-Stably Transfected CHO Cell Line"Arterioscler Thromb Vasc Biol.. 19. 2207-2213 (1999)