2000 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症および多動性障害における睡眠・覚醒リズム障害とメラトニン動態の研究
Project/Area Number |
11670732
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
宮本 晶恵 旭川医科大学, 医学部, 講師 (10250557)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖 潤一 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (60152401)
|
Keywords | メラトニン / 睡眠・覚醒リズム障害 / 自閉症 / 多動性障害 |
Research Abstract |
自閉症および多動性障害における睡眠・覚醒リズム障害とメラトニン動態の研究の2年目として、初年度に得られた正常コントロールにおける尿中サルファトキシメラトニン(aMT6s)を基礎に自閉症児におけるメラトニン分泌を検討した。正常コントロール2〜4歳(A群)、5〜9歳(B群)、10〜14歳(C群)、成人(24〜37歳)(D群)の早朝第1尿aMT6sは、A群から順に129.8ng/mg.cre(以下単位は略),96.5,31.2,17.3であった。午後尿の尿中aMT6sは、12.9,3.1,,3.5,1.0であった。睡眠障害を伴う自閉症3例において5歳児(早朝尿aMT6s7.9,午後尿aMT6s10.4),11歳(26.9,<1.0),31歳(3.9,1.1)であり、3例中2例はメラトニン分泌の日内リズムが消失していた。さらに自閉症で睡眠相後退症候群を呈していた11歳女児において24時間のaMT6sをみた。覚醒している間の尿中aMT6sは1.3〜3.5と低値であり、入眠中aMT6sは26.9(C群正常値31.2)とほぼ正常範囲であった。すなわち、睡眠相のずれとメラトニン分泌のずれが一致したことを報告した(平成12年、第8回北海道睡眠研究会)。また、睡眠障害を伴う多動性障害において、メラトニンとシプロへプタジンの併用療法が有効であることを報告した(平成12年度メラトニン研究会、東京)。プレリミナリな段階であるが、自閉症および多動性障害における睡眠・覚醒リズム障害にはメラトニン分泌障害が関連していることが示唆された。
|
-
[Publications] Miyamoto A,Sugai R.: "Urine stone formation during treatment with zonisamide"Brain & Development. 22. 460 (2000)
-
[Publications] 沖潤一,宮本晶恵,高橋悟: "Focal cortical dysplasiaと認知機能障害との関連について-十年以上抗てんかん薬の内服治療を続けている2女児例での縦断的検討-"脳と発達. 32. 405-414 (2000)
-
[Publications] 宮本和俊,宮本晶恵: "小児外科医の遭遇した被虐待児症候群児-小児外科的病態が関与した症例を中心に-"小児外科. 32. 1000-1007 (2000)
-
[Publications] 沖潤一,宮本晶恵: "思春期のやせ"小児科診療. 64. 36-40 (2001)