1999 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎の紫外線療法に関する臨床的ならびにモデルマウスによる研究
Project/Area Number |
11670854
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
堀尾 武 関西医科大学, 医学部, 教授 (90026914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 陽子 関西医科大学, 医学部, 助手 (60278611)
橋本 洋子 関西医科大学, 医学部, 助手 (70257955)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 紫外線療法 / 光化学療法 / NC / Ngaマウス |
Research Abstract |
標準的な治療法による通院治療ではQOLの改善が困難な重症の成人アトピー性皮膚炎に対して入院の上、8-methoxypsoralen(8-MOP)内服とUVA照射(PUVA)による光化学療法を行い副作用なく良好な結果を得た。この臨床経験から、奏効機序の解明を目的として、アトピー性皮膚炎のモデルマウスとされるNC/Ngaマウスを用いて、皮膚病変に対するPUVA療法の治療効果を検討した。従来、同マウスは、specific pathogen free(SPF)環境下では皮疹の発現がなく、conventionalな環境で飼育すると皮膚炎を発症するといわれている。しかし、われわれの動物施設では、conventionalな状態でも発症せず、ネズミダニを寄生させて初めて皮膚炎を生じた。5週齢の雄NC/Ngaマウスを購入し、ダニを寄生させると8〜9週齢より湿疹様の変化が出始め徐々に増悪する。皮疹が最強に達した14週齢よりPUVA療法を開始した。方法は、8-MOP(4mg/kg)を腹腔内投与し、2時間後に蛍光灯型black lightでUVAを照射した。治療回数は、週3回、計12回とした。UVA照射量は、初回3J/cm^2より5J/cm^2まで漸増した。皮膚症状を治療開始時から終了1週間後まで、毎週1回観察した。皮膚症状の程度は、掻破、紅斑/出血、浮腫、ビラン、鱗屑/乾燥の各変化に対して0〜3のスコアを与えて評価した。PUVA治療群では、無治療群、UVA単独照射群と比較して有意に皮疹が改善された。現在、血清IgE値、皮疹の病理組織学的変化を検討中である。さらに、皮疹発症前よりPUVA療法を行って予防効果も検討する。
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