1999 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病者における多面的バイオフィードバック療法の試み
Project/Area Number |
11670971
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
森田 喜一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (20140642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 浩 久留米大学, 医学部, 助手 (50299509)
宮平 綾子 久留米大学, 医学部, 助手 (30291826)
前田 久雄 久留米大学, 医学部, 教授 (60089919)
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Keywords | 精神分裂病 / 寛解過程 / 視覚誘発事象関連電位 / 聴覚誘発事象関連電位 / 探索眼球運動 / 情動刺激 / 生物学的指標 / バイオフィードバック療法 |
Research Abstract |
研究代表者等は、精神分裂病者の寛解過程における、客観的・生物学的な指標として、事象関連電や眼球運動は重要であると報告してきた。研究代表者等は、これらの計測を同時に同一被験者に施行し診断および治療的に検討、さらに、経時的に観察・分析して、治癒過程の臨床指標を作成検討している。平成11年度は、現有の、聴覚誘発事象関連電位記録装置、眼球運動記録装置、脳波記録装置、コンピュター解析システムを使用して、健常者及び精神分裂病者において聴覚誘発事象関連電位や探索眼球運動の記録、解析を中心的に研究分担者(宮平、山口)と行い学会や論文として発表してきた。特に寛解指標としての聴覚誘発事象関連電位(P300成分)に対する視覚情動の影響およびアイマークレコーダによる情動刺激に対する探索眼球運動の同一被験者からの経時的記録・解析を施行し、その一成果は、論文としている。精神分裂病者の寛解過程において、これらの生物学的指標は情動に関連して有意に変化し、病状依存性の指標と考えられ、特に否定的な情動(悲しみ、恐れ等)が病状依存的であり重要であると示唆される。研究代表者(森田)は、備品として申請したマルチテレメータシステムを現有の各システムと構築中であり、情動に関連して生物学的にフィードバック可能な、できるだけ負荷の少ない検査状況を健常者を対象に検討中である。今後、精神分裂病者の寛解過程において得られた結果を生物学的指標として被験者にフィードバックを行ってゆく。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 前田久雄、森田喜一郎等: "聴覚P300成分に対する表情認知の影響"臨床脳波. 41. 565-570 (1999)
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[Publications] 山本正史、森田喜一郎等: "精神分裂病の寛解過程において多面的評価を試みた1症例"九州神経精神医学. 45. 153-158 (1999)
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[Publications] 森田喜一郎等: "健常者の聴覚事象関連電位に対する表情認知の影響"臨床脳波. 42. 7-11 (2000)