2000 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞形成におよぼすサイトカイン・接着分子の相互作用
Project/Area Number |
11671089
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井上 勝 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (20253023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 弘之 岡山大学, 医学部, 助教授 (80231413)
清野 佳紀 岡山大学, 医学部, 教授 (80028620)
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Keywords | 細胞外マトリックス / 破骨細胞 / リン酸化チロシン / 細胞接着因子 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
細胞が細胞外マトリックスと接触することは、多くの細胞にとって、必須である。これらの作用は、主にインテグリンの介在の上になり立つが、細胞接着因子を介したシグナル伝達系と、増殖因子からのシグナル伝達系には重複するところが多い。2つのシグナル伝達系の関与を破骨細胞前駆細胞において検討した。 6週齢のC3Hマウスの大腿骨、脛骨より骨髄細胞を分離、24時間後に非接着分画よりFicoll-hypaque遠心法にて、マクロファージ分画を回収したのち、PFAデッシュ上で3日間培養した。培養はマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)の存在下で10%FBS添加αMEMで行った。この方法により、M-CSF依存性の破骨細胞前駆細胞を得た。M-CSFの存在下でPBSにて2回洗浄後、0.1%BSA添加aMEMにサスペンドし、各々2枚のプラスチックデッシュ(A群)、PFAデッシュ(NA群)上で15分培養した。さらに、各群に対してM-CSFの添加群(A+群、NA+群)、非添加群(A-群、NA-群)を作成した。A群、NA群ともに1%NP-40を含むCell lysis bufferにて細胞を溶解した。SDS-PAGEにてCell lysateを分画した後、Westernblotをおこないリン酸化チロシンにたいする抗体を使いECL法にて検討した。 NA-、NA+群ともにA-、A+群に比較してリン酸化チロシンの発現は減少していた。そのなかでも50kDaに相当するバンドは著明に減少していた。M-CSFの添加による効果はNA-、NA+群間の比較では明らかではなかったが、A+群の50kDaに相当するバンドはA-群に比較して1.3倍に増加した。 破骨細胞前駆細胞は接着することにより50kDa蛋白のチロシン残基をリン酸化する。 このことは破骨細胞前駆細胞の分化もしくは増殖に必須であると考えられる。
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