2001 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子異常を導入した新しい乳癌病期分類(TNMG分類)の確立
Project/Area Number |
11671196
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Research Institution | Kinki University School of Medicine |
Principal Investigator |
綿谷 正弘 近畿大学, 医学部, 講師 (00220856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 和毅 近畿大学, 医学部・附属病院, 助手 (50330270)
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Keywords | 乳癌 / 病期分類 / 癌関連遺伝子 / FISH / 染色体不安定性 / 遺伝子発現 / 微小転移 |
Research Abstract |
1.染色体数的異常と乳がん予後:乳がん87例を対象にパラフィン包埋標本からFISH法で遺伝子異常が比較的高頻度に認められている1,11,17番染色体の数的異常を解析し予後との関連を検討した.17番染色体aneusomy乳がんの5年健存率は59%でdisomy乳がんの87%と比べ有意に予後不良であった.また17番染色体aneusomy乳がんはdisomy乳がんに比し術後2年未満の早期再発が多く見られた.3つの染色体の解析から,数的異常を認めない乳がんでは術後2年以内の再発はなかったが,全ての染色体に数的異常が認められた乳がんの27%に2年未満の再発が見られた. 2.癌関連遺伝子発現から検討した乳癌生物学的多様性:165個の癌関連遺伝子を一度に発現解析できるmembrane-based hybridization array法を用いて42例の正常乳腺組織と乳癌組織での遺伝子発現を比較し発現異常遺伝子の関連の関連性を検討した.正常組織と比べ癌組織で5倍以上の発現上昇あるいは発現低下がみられた遺伝子を高発現または低発現遺伝子とし,また42例中7例以上の症例で高発現あるいは低発現であった遺伝子に限定すると,12遺伝子が高発現で21遺伝子が低発現であった.高発現遺伝子のなかでは細胞外マトリックス分解酵素(MMPs)が多く,低発現遺伝子ではアポトーシス関連遺伝子が多く見られた.臨床病理学的因子の関連からFGFR-2発現低下は腫瘍径の増大と有意な相関がみられた.本法による遺伝子発現解析から乳癌の生物学的多様性が示唆され,同時に本法によって乳癌の新しい生物学的予後因子が同定できる可能性がある.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Matsuda, M.Watatani, et al.: "Mutations in the RAD54 recombination gene in primary cancers"Oncogene. 18. 3422-3426 (1999)
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[Publications] T.Hiramoto, M.Watatani, et al.: "Mutations of novel humann RRAD54 homologue, RAD54B, in primary cancer"Oncogene. 18. 3422-3426 (1999)
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[Publications] 野口眞三郎, 綿谷政博 他: "遺伝子診断の乳癌検診への応用-穿刺細胞診検体を用いた乳癌のFISH診断-"癌と化学療法. 26. 2127-2130 (1999)
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[Publications] 西村圭介, 綿谷正弘 他: "乳腺腫瘍における新しい核内ホルモンレセプター(NER)の免疫組織学的研究:エストロゲンレセプター,プロゲステロンレセプターとの比較から"近畿大学医誌. 24. 293-301 (1999)
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[Publications] 乾浩己, 綿谷正弘: "免疫組織染色によるセンチネルリンパ節の微小転移の診断"医学のあゆみ. 192. 173 (2000)
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[Publications] 今西幸仁, 綿谷正弘 他: "浸潤性乳癌における染色体不安定性の臨床意義"近畿大学医誌. 25. 119-124 (2000)