1999 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンフローレッセンス蛋白遺伝子導入癌細胞を用いた大腸癌肝転移機構の解明
Project/Area Number |
11671260
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大木 繁男 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40160436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 洋平 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00254194)
渡会 伸治 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10244477)
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Keywords | Green Fluorescence Protein / 大腸癌肝転移 / 腹膜播種 |
Research Abstract |
Green Fluorescence Protein (以下GFP)導入癌細胞株の実験は現在ヒト大腸癌細胞株WiDrおよびヒト胃癌細胞株NUGC-4を用いた、腹膜播種実験モデルの作成と、血管新生因子の抑制による、播種巣治療について精力的に行われている。Nude mouseを開腹し回盲部を確認、同部位にGFPを導入したWiDr又はNUGC-4、2x106を散布、30分間静置の後生食で洗浄、落射型蛍光顕微鏡で観察している。蛍光顕微鏡では、30分洗浄後に残ったsingle cellレベルでの播種癌細胞を観察することが可能であり、以降7、14,21日目に開腹、播種巣の検索をしている。NUGC-4は胃癌患者の癌性腹水から分離された細胞株であり、これまでも実験的播種が報告されてきたが、WiDrは大腸癌細胞であり、実験的にも播種巣の形成は報告されていなかった。しかし、上記の方法によって作成したモデルではNUGC-4はもちろんWiDrでも播種巣が形成されており、特に100μm程度の播種巣が散在する様は肉眼では確認できず、GFPによってのみ観察が可能であった。Greenとコントラストが強い赤色で構成される血管は明瞭な観察が可能であり100μm程の播種巣でも新生血管が腫瘤内部にまで至っていることが確認できる。この際NUGC-4の新生血管に比較して、WiDrの血管は蛇行し、細く、血流のサプライが低い可能性が示唆された。現在この血管の形状の差が何によるものであるのかについて検討を行い、また腫瘍血管新生の際に重要な働きをするといわれるVEGFのreceptorに対する制御を行い播種巣形成の抑制、また形成された播種巣の治療に関して研究を進めている。(723文字)
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Miyagi Y. et al,.: "Use of histoculture and green fluorescent protein to visualize tumor cell host interaction"In-Vitro-Cell-Dev-Biol-Anim.. 33(10):. 745-747 (1997)
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[Publications] Miyagi Y. et al.: "Governing step of metastasis visualized in vitro."Proc-Natl-Acad-Sci-U-S-A.. 94(21):. 11573-11576 (1997)
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[Publications] Miyagi Y., et al.,: "Visualization of the metastatic process by green fluorescent protein expression."Anticancer-Res.. 17(4A). 2377-2384 (1997)
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[Publications] 大木 繁男: "直腸癌に対する機能温存"日本消化器外科学会雑誌. 33(1). 123-127 (2000)
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[Publications] 大木 繁男: "腰部交感神経の局所解剖と直腸及びS状結腸癌の術後射精機能"横浜医学. 50(2). 119-125 (1999)
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[Publications] 大木 繁男: "直腸前方切除術における安全な結腸直腸吻合法"手術. 52(2). 153-161 (1998)