2001 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンフロレッセンス蛋白遺伝子導入癌細胞を用いた大腸癌肝転移機構の解明
Project/Area Number |
11671260
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Research Institution | YOKOHAMA CITY UNIVERSITY, SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
大木 繁男 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40160436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 靖史 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (70254208)
宮城 洋平 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (00254194)
渡会 伸治 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助教授 (10244477)
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Keywords | VEGF / metastasis / Green Fluorescence Protein |
Research Abstract |
Green Fluorescence Protein(以下GFP)導入大腸癌細胞株による肝転移、腹膜播種機構の解明に関し、一昨年までの成果として(1)大腸癌細胞株WiDrおよび胃癌細胞株NUGC-4にGFP遺伝子の導入を成功させたこと、(2)これによりsingle cellレベルの超微小転移巣の発見が可能となったこと、(3)微小転移巣の新生血管が観察可能であること、(4)血管新生因子VEGFのreceptorであるKDR/Flk-1に対するantisense(AS)がin vitroでKDR/Flk-1発現ヒト前立腺癌細胞株(PC-3)の発育を阻止し、その際KDR/Flk-1の発現を強く抑制すること、を確認してきた。これらの結果を踏まえて、本年度はGFP遺伝子導入胃癌細胞株NUGC-4によりin vivoで腹膜播種を作成し、KDR/Flk-1 ASのin vivoにおける効果を確認した。NUGC-4は細胞自身にはKDR/Flk-1の発現が無く、in vitroでのKDR/Flk-1 AS投与はNUGC-4の発育を阻止できない。しかしKDR/Flk-1はin vivoの実験では、微小播種転移巣の数を減少させ、またその経過を追うことで、微小転移巣の発育をも低下させる傾向があることがわかった。その際、腫瘍内の新生血管数(Factor VIII染色)の減少と、腫瘍細胞apoptosis(TUNEL染色)の増加が認められ、微小転移巣の生存、増殖には血管新生が重要であることが分かった。GFPの導入はこれらの観察を容易にし、これを用いたin vivoの実験は今後も非常に有用なものであると考えられた。また腫瘍血管新生を標的としたKDR/Flk-1 AS療法は治療困難と考えられてきた胃癌腹膜播種治療に新たな局面をもたらすものとして期待される治療法であり、今後も研究の持続が必要と考えられた。以上の結果を踏まえて論文を作成しCancer Gene Therapyに投稿、2002年2月号に掲載された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kamiyama M, Ohki S: "VEGF receptor antisense therapy inhibits angiogenesis and peritoneal dissemination of human gastric cancer in nude mice"Cancer Gene Ther.. Feb, 9(2). 197-201 (2002)
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[Publications] Hasegawa S, Miyagi Y: "In vivo tumor delivery of the green fluorescent protein gene to report future occunence of metastasis"Cancer Gene Ther.. Oct, 7(10). 1336-1340 (2000)