1999 Fiscal Year Annual Research Report
弁付き導管移植モデルにおけるドナー特異的免疫寛容状態の誘導
Project/Area Number |
11671343
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
平松 健司 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70221520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 達 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20277198)
押富 隆 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70266766)
今井 康晴 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30075246)
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Keywords | 弁付き導管 / Rastelli型手術 / 内皮細胞 / 移植 / 免疫寛容 / Y染色体 / ドナー / レシピエント |
Research Abstract |
Rastelli型手術の際使用される右室一肺動脈間の弁付き導管は、同種にしろ異種にしろ遠隔期においては数年で石灰化がおこり右室流出路の通過障害が発生し再手術が必須となるのが現状である。しかし、移植された弁付き導管内のドナー由来の内皮細胞や平滑筋細胞がいつまで存在するかについても不明のままである。そこで本年度は、まず弁付き導管の移植モデルを確立し、弁付き導管内のドナー由来の内皮細胞や平滑筋細胞がいつまで存在するのか、またいつ頃レシビエントの細胞と入れ替わっていくのかを追及することを目的とした。 近交系である8週令のオスのキングラットとメスのルイスラットをドナーとレシビエントとして使用する。まず、キングラットの上行大動脈を大動脈弁ごとくりぬき腕頭動脈を分枝する直前まで採取し左右の冠状動脈を結紮し弁付き導管を作成する。次ぎにルイスラットの腎動脈下の腹部大動脈を離断し、作成した弁付き導管を8-0ポリブロビレン糸結節吻合にて端々吻合。経時的にsacrificeし、弁付き導管を摘出し血管吻合部を含めて長軸方向の標本としY染色体に対する抗体を用い蛍光染色。Y染色体の有無の観察によりドナー由来の細胞の存在を確認した。 術直後出血、感染等で死亡した動物を除き全例存在し、両下肢とも可動良好であった。術後6週目までにsacrificeした弁付き導管の内膜の蛍光染色よりY染色体が確認され、術後8週目以降ではY染色体は確認されなかった。以上より術後6-8週間程度の間に弁付き動管内のドナー由来の細胞はレシビエント細胞と入れ替わっていくものと推定された。
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