2000 Fiscal Year Annual Research Report
重症脳障害患者の局所脳組織・髄液代謝に及ぼす頭蓋内圧亢進・全脳虚血と低体温療法
Project/Area Number |
11671388
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
齋藤 勇 杏林大学, 医学部, 教授 (20186927)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 芳昭 杏林大学, 医学部, 助教授 (20245450)
|
Keywords | 重症脳障害 / 脳組織代謝 / 重症くも膜下出血 / 実験動脈瘤 / 血管内手術 / Factor XIII / 微細組織学的検討 |
Research Abstract |
重症脳障害患者の局所脳組繊代謝に及ぽすICP亢進・全脳虚血と低体温療法の効果を明らかにするため,脳局所と比較的広範な脳実質細胞外液の変化を反映するとされる髄液において,酸素代謝のみならず,嫌気性代謝産物に影響される脳アシドーシス,興奮性アミノ酸,glycerol,free radical,脳血流や電気生理学的活動をモニタリングし,それに及ぼすICP亢進・CPP低下に伴う全脳虚血の影響を評価,さらにそれらに対する低体温療法の効果を,併用される治療法とともに解析することにある.本研究において,脳組繊と髄液の酸塩基平衡,温度に加え,脳局所細胞外液を脳微小透析法によりHPLCを用い測定,局所脳血流,ICP測定と共にコンピュータモニタ解析システムを用いて,ICP亢進とCPP低下が局所的な脳実質の変化と全脳的な髄液とに及ぼす影響を評価,低体温療法の影響を併用される治療法とともに解析する.頭蓋内での脳微小透析法につき杏林大学医学部倫理委委員会より承認されたが,臨床症例が数例しか集まらず研究の進行が遅れている.このため,脳血管障害による重症脳障害,とくに脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血時に併用される血管内治療法による基礎実験を行った.16匹の成豚の外頚・上咽頭動脈分岐部で全身麻酔下に動脈瘤を作成し,常温下にてGDCを用いて塞栓術を行い,コントロール群として7動脈瘤を摘出,22動脈瘤に対しては創傷治癒因子であるFXIIIを投与3週間後に摘出し血管内皮の状態を走査顕微鏡にて評価した.コントロール群と比較しFXIII投与群では繊維芽細胞・血管内皮の増殖がみとめられた.結果より脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血による重症脳障害患者に対しては血管内治療法とFXIIIの併用が有効と考えられる.
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 齋藤勇: "新しい蛋白リン酸化酵素阻害薬ファスジル-塩酸ファスジルを中心とした今日の脳血管攣縮の有用性の検討-多施設共同研究による検討"脳21. 3. 472-475 (2000)
-
[Publications] Shiokawa Y: "Subarachnoid hemorrhage of vinerified etiology"J Stroke and Cerebrovascular Diseases. 9(Supple 1). 115-116 (2000)
-
[Publications] Shiolawa Y: "Immediate surgery reduces mortality in deeply comatose patients with spontaneous cerebellar hemorrhage"Neurol Med Chir (Tokyo) 40:295-300,2000.. 40. 295-300 (2000)
-
[Publications] 塩川芳昭: "破裂脳動脈瘤急性期の治療選択"The Mt.Fiji Workshop on CVD. 18. 141-145 (2000)
-
[Publications] 小西善史: "脳動脈瘤に対するstent/coilの応用に関する検討-血管内聴音波を用いて-"Metallic Stentの現状と進歩【II】. 14・15. 220-221 (2000)
-
[Publications] 佐藤栄志: "重症破裂脳動脈瘤に対する急性期コイル塞栓術"The Mt.Fiji Workshop on CVD. 18. 125-128 (2000)
-
[Publications] Konishi Y: "Electromicroscopic investigation of the efficacy of factor XIII for coil embolization in experimental aneurysms-Preliminary report-"Interventional Neuroradiology 6 (Suppl1). 6(Suppl 1). 107-109 (2000)