1999 Fiscal Year Annual Research Report
食事動作にみる前腕回旋運動制限と肩関節による代償運動の関係
Project/Area Number |
11671434
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 一 広島大学, 医学部, 教授 (00187460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 篤志 広島大学, 医学部, 助手 (40274063)
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Keywords | 動作分析 / 代償運動 / 関節運動 / 肩関節回旋運動 / 前腕回旋運動 / 作業分析 / ADL / 運動分析 |
Research Abstract |
研究の進展状況と成果:1年目は前腕回旋運動の測定・解析方法の確立,ならびに身体部位問距離計測から算出する肩関節角度の測定手法を確立する事に重点を置いた.1.磁気センサー式3次元空間距離計測装置(センサーと受信機)が納入(9月中旬)されてから操作練習ならびに実験装置の設計と製作を行った.本計測装置は磁性体が近くにあると磁力線に歪みを生じ誤差原因となるため,装置は金具を使わず木製で可動式のものにした.この装置の有効性を確認した.2.前腕の回旋運動測定に際して,運動を妨げず最大限に回旋運動を検出できるセンサー貼付部位を探索した.その結果,前腕筋位部は肘頭上,遠位部は橈骨茎状突起上,同様に肩関節は肩甲骨肩峰上面が最適であることを見いだせた.この3点にセンサーを貼付すると肩関節運動(自由度3)肘関節運動(自由度1),前腕の回旋運動(自由度1)が測定出来ることを確認した.3.前腕回旋運動の最大幅は理論的に180度であるが,皮膚上に貼ったセンサーによって検出する値は約60度少ないことが判った.この理由は皮膚の伸びにより実際の関節角度変化より小さく出ることが判った.そこで論理的な関節角度変化と測定値との関係を調べ,両者に1次線形関係があることが判明し,測定値から実際の関節運動を近似させる方法を見いだせた.4.現在,既存の捻れ歪み計を使って磁気センサーの精度を確認するデータを集めている.5.肩関節による代償運動を起こすために必要な前腕運動に制限を加える装具を熱可塑性プラスチック材で試作中である.6.装置の装着を容易にするための測定用装着ベストやベルトの試案にも着手したばかりである.以上のように測定装置の整備と実験用具の作成,測定方法やデータ修正方法の確立,測定精度のデータ収集などが成果である.12年度からは当初の目的である運動制限と代償運動の法則的な関係を見つけるべく実際の食事動作での実験に着手する予定である.
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