1999 Fiscal Year Annual Research Report
腰部脊柱管狭窄症における衝突法を用いた障害神経根の電気診断法の開発-急速回復プリアンプの開発と実験および臨床的研究-
Project/Area Number |
11671442
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
谷 俊一 高知医科大学, 医学部, 助教授 (90136250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
為貞 建臣 徳島大学, 工学部, 教授 (60035615)
谷口 慎一郎 高知医科大学, 医学部, 助手 (00304676)
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Keywords | 腰部脊柱管狭窄症 / 神経根障害 / 電気診断 / 馬尾神経誘発電位 / 衝突法 / 急速回復プリアンプ |
Research Abstract |
1.動物実験:Wistar系雄ラット32匹を用い血管クリップ(120gf)で15分間L6神経根を圧迫して神経根障害モデルを作製した.記録用銀球電極を硬膜外腔(Tl0-llレベル)に置き、次の3種類の刺激方法で、誘発電位を圧迫直前から圧迫解除まで3分毎に記録した。すなわち、(l)坐骨神経を刺激した群(11匹)、(2)L6神経根を刺激した群(13匹)、(3)坐骨神経とL7神経根を同時に刺激した群(11匹)、の3群について誘発電位の振幅を比較した。(3)群では、両神経の刺激による電位からL7神経根のみの刺激による電位をsubtractionした電位の振幅につき検討した。圧迫時間が長くなるにつれて誘発電位の振幅は減少した。圧迫前の振幅を100%とすると、(1)群では圧迫15分で平均78%、(2)群では43%、(3)群では44%であった。圧迫後3、6、9、12、15分における%振幅の平均はいずれも、(1)群よりも(2)群や(3)群の方が有意に(p<0.05)低かった。以上の結果から、単一神経根障害の診断には、末梢神経刺激(すなわち(1)群)よりも単一神経根刺激(すなわち(2)群)の方が鋭敏であり、collision法(すなわち(3)群)は単一神経根刺激と同程度に鋭敏であると言える。従って、臨床検査において単一神経根刺激が現実に困難な場合、collision法がそれに代わる方法となり得ることが示された。 2.急速回復プリアンプの開発:記録電極の近傍の神経の電気刺激により誘発電位を記録する場合、電気刺激の電圧は誘発電位に比べ過大であり、筋電計が一定時間、増幅器として全く作動しなくなる。今回開発した急速回復アンプは筋電計とのマッチングが不十分なため筋電計が一定時間安定しない欠点がある。今後、急速回復アンプとプリアンプのマッチングを図り安定作動するよう改良する。
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