2000 Fiscal Year Annual Research Report
吸入麻酔薬と一酸化窒素の脊髄後角細胞活動に及ぼす影響-吸入麻酔薬の作用機序における一酸化窒素の役割-
Project/Area Number |
11671480
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
角田 俊信 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80187806)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手 康雄 東京大学, 医学部・附属病院(分院), 講師 (60193463)
花岡 一雄 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80010403)
|
Keywords | 脊髄後角 / WDR神経細胞 / 吸入麻酔薬 / 一酸化窒素(NO) / L-NAME |
Research Abstract |
250〜300gの雄のSprague-Dawley系ラットを用い,酸素・笑気・ハロセン麻酔下にて,気管切開,総頚動静脈カニュレーションの後,頭蓋内容を吸引して除脳した.第1,2腰椎間で脊髄を横断し,腰部椎弓切除術を行い,人工呼吸にて一般状態を生理学的正常範囲内に維持した.微小電極を第7腰髄内に細胞活動のmodalityを確かめつつ,マイクロドライバーを用いて挿入し,脊髄後角単一細胞活動を細胞外微小電極誘導記録法において測定観察した. 受容野への刺激に対する単一細胞活動の反応様式により,低閾値機械的刺激受容細胞,特異的侵害刺激受容細胞,広作動域神経細胞(WDR神経細胞)を同定し、低閾値刺激受容細胞には受容野に非侵害刺激(brushing)を加え,特異的侵害刺激受容細胞と広作動域神経細胞には受容野に侵害刺激(pinch)を加えて細胞活動を観察し,対照値とした.ハロセン1.1%(1MAC)投与下,及び純酸素投与下に,一酸化窒素合成阻害薬であるL-NAME,一酸化窒素合成促進薬であるL-arginineを脊髄表面に直接投与し,細胞活動の変化を観察した. その結果,前年度と同様に低閾値機械的刺激受容細胞においては,ハロセン1.1%(1MAC)投与下,及び純酸素投与下のどちらでも,L-NAMEの投与により単一細胞活動は変化しなかった.また,L-arginineを脊髄表面に直接投与しても単一細胞活動は変化しなかった.現在,特異的侵害刺激受容細胞と広作動域神経細胞において同様の検討を行っている. 今後も引き続き,特異的侵害刺激受容細胞と広作動域神経細胞での結果と低閾値機械的刺激受容細胞での結果を比較検討していく予定である.
|
Research Products
(1 results)