1999 Fiscal Year Annual Research Report
FISHと超音波断層法による膀胱癌の非侵襲的検出法の開発
Project/Area Number |
11671537
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
簑和田 滋 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00126179)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 之夫 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40165626)
高橋 悟 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (50197141)
|
Keywords | FISH / 膀胱癌 / 超音波断層法 / 非侵襲的検出 / 尿中 |
Research Abstract |
尿中剥離細胞を用いたFluorescence in-situ hybridization(FISH),ならび経腹式超音波断層法を併用した新しい膀胱腫瘍検出法の有用性を検討した。平成11年度は、内視鏡による膀胱腫瘍切除後のフォローアップ患者40例を対象とし、膀胱鏡、尿細胞診による従来の方法と再発検出率を比較検討した。FISH:自然尿を50ml採取し遠沈にて細胞成分を分離、標本を作成し、蛍光標識染色体セントロメアプローブ(第9,17染色体)を使用し施行した。超音波断層法検査:膀胱鏡検査に先立って施行。最初に膀胱内尿量を3方向計測法にて測定し、推定膀胱内尿量が300-400mlの状態で腫瘍(粘膜隆起病変)の有無を判定した。FISHにて1個以上の染色体でaneusomyを認めた(FISH陽性)症例は23例(58%)であった。このうち膀胱鏡にて腫瘍再発を認めたのは6例のみであった。しかしその後経過観察期間中(2-8か月)に再発を4例で認めた。一方超音波断層法にて腫瘍を検出し得た症例は4例(10%)で全例がFISH陽性、かつ膀胱鏡でも再発が発見された。膀胱鏡で再発が検出され、超音波断層法で検出できなかった2例はともにCISであった。尿細胞診は3例のみ陽性であった。 以上よりFISHは膀胱腫瘍再発を高感度で検出、予測し得る可能性が示唆された。引き続きFISH陽性症例における腫瘍再発の有無を観察していく予定である。一方超音波断層法は隆起性腫瘍については膀胱鏡に遜色なかった。
|