2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌性プロスタグランジンの有効性と尿路悪性腫瘍におけるそのトランスポーターの発現
Project/Area Number |
11671544
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Research Institution | Yamanashi Medical University |
Principal Investigator |
土田 孝之 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30217327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 直明 東海大学, 開発工学部, 助教授 (40194881)
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Keywords | プロスタグランジントランスポーター / シクロペンテノン型PG / PGT / hPGT |
Research Abstract |
我々は、我々が同定したクローニングしたヒトプロスタグランジントランスポーター(以下PGT)のcDNAをHeLa細胞(子宮頚癌細胞)導入し、PGT安定発現細胞を作成した。 今回シクロペンテノン型PGのPGTの親和性を測定したが、比較的高い親和性の値(1.5uM程度)が得られ、シクロペンテノン型PGはPGTによって細胞内取り込まれる可能性があることが示唆された。以前よりシクロペンテノン型PGは細胞に取り込まれ、細胞死を起こすことが確認されており、抗癌性プロスタグランジンとして注目されていた。その細胞内取り込みにPGTが関与している可能性が示唆された。 そこで、様々な濃度で(2uM,5uM,10uM,20uM,50uM)のシクロペンテノン型PG(PGA1)によりPGT安定発現細胞が発育抑制または細胞死となるか、フローサイトメトリーなどで確認した。 結果はPGA1濃度が20uM以上で、PGT安定発現細胞とコントロールのHeLa細胞共に、細胞分裂G1にて細胞死が確認された。PGTが発現していないコントロールの細胞も細胞死したこととシクロペンテノン型PGのPGA1のPGTへの親和性が1.5uM程度であることから、PGTへの親和性よりかなり高濃度の20uM以上で細胞死が観察されたという事実は、PGT以外のトランスポーターが存在する可能性を示唆している。 生理的にPGTが多く発現している肺細胞と腎細胞の癌細胞をもちいて、実験的に明らかにするためにPGTを強制発現させて調べてみると、やはり結果的には、PGTへの親和性よりかなり高濃度で細胞死を認めた。また、その他のシクロペンテノン型PGにおいても、やはり親和性より高濃度で細胞死が起こり、PGTが発現していない細胞でも細胞死が起こっている。発育抑制に関与している可能性はあるが、正常細胞にも影響は強く、副作用の強い抗癌剤の可能性が高いことが示唆される。
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Research Products
(2 results)