1999 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣組織の凍結保存法および解凍後の器官培養での卵胞刺激法に関する研究
Project/Area Number |
11671640
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
池田 万里郎 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (50254173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 恒男 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60179497)
多賀 理吉 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (00107682)
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Keywords | 卵巣組織 / 凍結保存 / 器官培養 / 卵胞刺激 |
Research Abstract |
6-8週令の雌マウスの卵巣を無菌的に摘出し、2mm大に切断した後1.5M DMSO,10%FCSを含むMEM培地に移し、プログラムフリーザーにて-40度Cまで冷却した後、液体窒素中に移し保存した。急速解凍したマウス卵巣断片と新鮮に採取した卵巣断片を培養液に浮かべたレンズペーパー(ガラス繊維のフィルター)上にのせて器官培養をおこなった。1ml中7・5IUのPMSGを含む培養液中に移し、実体顕微鏡下で観察したところ、わずかながら卵胞の発育が認められた。今後は、培養液中に1-10ng/mlのEGFを添加し、その卵胞発育に対する効果を調べる予定である。また、凍結解凍処理したマウス卵巣断片を解凍し、もとのマウスの腹腔内に移植し血中性ステロイド測定を行うことにより、その卵巣が正常に機能しているかどうかも検討する。 同意の得られた患者の手術材料より、ヒト卵巣皮質の2mm大のスライス断片を作成し、氷上で1.5M DMSO,10%非働化胎児ウシ血清,0.1M Sucroseを含むα-MEM培地で30分静置し、その後、凍結保存用バイアルに移し、プログラムフリーザーを用いて-7度Cまで2度C/分で冷却、その温度で植氷した後、-40度Cまでは0.3度C/分で冷却し液体窒素中に保存した。今後の予定として培養液中に0.3IU pure FSH,0.3IU LHを添加することにより卵巣スライスを刺激し、卵胞発育の可能性について検討する。また、培養液中に1-10ng/mlのEGFを添加し、その卵胞発育に対する効果を調べる。 最近vitrification(ガラス化法)による凍結保存法が注目されている。今後、40%エチレングリコール、18%フィコール、0.3Mトレハロースを含むα-MEM培地を用いて、マウスおよびヒト卵巣組織の凍結保存法の有用性についても検討していく予定である。
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