• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2000 Fiscal Year Annual Research Report

口腔扁平上皮がんにおける転写因子E1AFの発現と悪性度との関連

Research Project

Project/Area Number 11671863
Research InstitutionHOKKAIDO UNIVERSITY

Principal Investigator

小野 貢伸  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50281829)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 安田 元昭  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90239765)
東野 史裕  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
進藤 正信  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
Keywords転写因子E1AF / 口腔扁平上皮がん / 細胞外基質分解酵素 / 血管内皮細胞増殖因子 / リンパ節転移
Research Abstract

E1AFはHigashinoらによって発見されたets-oncogene familyに属する転写因子で、種々の遺伝子の転写に関与することが示唆されている。われわれはこれまで口腔扁平上皮癌由来細胞株を用いてE1AFが腫瘍細胞の浸潤性増殖に深く関与し、培養細胞系では転写因子E1AFの発現と細胞の悪性形質とは非常にパラレルな関係にあることを明らかにしてきた。
実際の口腔扁平上皮癌でも同様の関係が成り立つならば、E1AFは腫瘍の予後因子として術前の生検材料での予測が成り立ち、治療法の選択において重要な役割を果たすものと思われた。今回の検索は、患者から採取した口腔扁平上皮癌組織での転写因子E1AF、細胞外基質分解酵素MT1-MMPの発現を検索し、病理組織学的分化度、血管内皮細胞増殖因子VEGFの発現および転移との関連について検索した。
検索を行った32例中リンパ節転移を認めた症例は18例であった。また32例中11例がE1AF陽性であり、このうち7例にリンパ節転移を認めた。MT1-MMP陽性症例は5例であったが、そのいずれもがE1AF陽性症例であり、うち4例にリンパ節転移を認めた。32例中11例がVEGF陽性であり、このうち10例にリンパ節転移を認めた。VEGFの発現とリンパ節転移の有無の間には統計学的有意差を認めた。また、E1AF、VEGFのいずれかが陽性であった症例は17例あり、そのうちの12例にリンパ節転移を認めた。、E1AF、VEGFがともに陰性であった症例は15例あり、そのうちの6例にしかリンパ節転移が認められなかった。E1AF、VEGFの発現と病理組織学的分化度との間には相関関係は認められなかった。
以上の検索結果から、口腔扁平上皮がんの転移に関してE1AF、MT1-MMPおよびVEGFが重要な役割を演じていることが示唆され、これらの術前の検索が転移の有無を予測するパラメーターの一つとなりうると考えられた。

URL: 

Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi