2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原菌の外膜蛋白質に特異的なTh2型T細胞によるラット歯周病発症への防御効果
Project/Area Number |
11671883
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
斉藤 重野 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60072394)
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Keywords | 抗原特異T細胞株 / Th2型細胞 / Porphyromonas gingivalis |
Research Abstract |
細菌やウイルスなどの病原体に対する感染防御機構の多くは、抗体産生と細胞性免疫との二重の防御機構により成り立っているとされる。細胞性免疫と体液性免疫とは完全に独立した系ではなく、この2つの系はその調節機構やエフェクター機構において相互に関連している。特に、ヘルパーT細胞はTh1型とTh2型に分類され、細胞性免疫の調節ばかりでなく、体液性免疫の調節機構において重要な役目を担っている。Th2型細胞はIL-4およびIL-6を産生することによって、B細胞を活性化し、抗体産生を促す。産生された抗体は局所における細菌の中和とオプソニン化を亢進し、歯周病発症を阻止する方向に働くことを期待する。本年度は、ラットを抗原[(分子量40,000のPorphyromonas gingivalis外膜蛋白質(r40-kDa OMP)]にて免役した後、取り出した局所リンパ節からanti-CD4^+抗体カラムを用いたpunning法にて採取したCD4^+-T細胞クローンを下記のように同定した。 Th1型あるいはTI12型サイトカインmRNA発現の測定 Th1型(IFN-γ、IL-12)およびTh2型(IL-4,IL-5,IL-6,IL-10)特異的mRNAの発現をRT-PCR法を用いて測定し、クローンを同定した。分離したTh2クローンはIL-4 mRNAの発現を示した。 細胞内サイトカインの産生量の測定 細胞株培養上清を用いて、Th1型(IFN-γ、Il-12)あるいはTh2型サイトカイン(IL-4,IL-5,IL-6,IL-10)の産生量を特異抗体を用いたELISA法にて測定し、分離したクローンはIL-4活性を示した。 Th2型クローンのin vitro proliferation assay r40-kDa OMPおよびP. gingivalis菌体に対するTh2型クローンのin vitro proliferationをトリチウムチミジンの取り込みおよび細胞増殖試薬WST-1によるcell proliferation assayを用いて測定した。 B細胞からのin vitro抗体産生へのTh2クローンによる介助 r40-kDa OMPにて免疫したラットの脾臓からB細胞を採取し、クローンT細胞を加えた場合と、加えない場合のB細胞からの抗体産生量を測定し、Th2クローンによるB細胞からのin vitro抗体産生への介助機能を同定した。
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