2000 Fiscal Year Annual Research Report
環境ホルモン(ビスフェノールA)と歯髄細胞との関係を探る
Project/Area Number |
11671901
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Research Institution | Meikai university |
Principal Investigator |
片山 直 明海大学, 歯学部, 教授 (10105596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横瀬 敏志 明海大学, 歯学部, 助教授 (90245803)
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Keywords | ビスフェノールA / 歯髄組織 / HPLC / マウス |
Research Abstract |
(目的)生体内に取り込まれたBPAが血流を介して各臓器にどのように到達し、分布するかを知ることは今後環境ホルモンの影響を知る上で極めて重要な知見となる。特に歯科充填材料に含まれるBPAの歯髄組織への移行は大変興味深い。そこで本研究では腹腔内に投与したBPAが血流を介して歯髄組織へ移行するかをHPLC法を用いて調べた。 (材料と方法)6匹の8週齢の雌マウスに、体重1gあたり100μgのBPAを腹腔内注射し、0.5時間と1時間後に動脈血を採血し、また歯髄組織を摘出して試料とした。血清を分離し、また歯髄組織はホモジュナイズしてHPLCを用いてBPAの濃度を測定した。 (結果)血清中のBPAの濃度は投与後0.5時間から1μg/μlの濃度で確認され、さらに1時間ごにおいてもその濃度には変化がみられなかった。一方、ホモジュナイズした歯髄組織でも同様に0.5時間後から1g当たり100μgのBPAが確認され、1時間経過した後でもその値はほとんど変化しなかった。 (考察と結論)高濃度のBPAは比較的早期から血清中に出現し、少なくとも1時間は血中に保たれることが分かった。さらに歯髄組織へも血流を介して移動し、組織中に蓄積する可能性が示唆された。これらの事実はBPAが組織中に存在し、やがて濃縮されなんらかの細胞生物学的影響を及ぼす可能性を示している。 以上本研究結果はBPAの生体内分布を知る上できわめて重要な基礎的な知見となり得るものと考える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 菅原正之,横瀬敏志: "ヒト歯髄細胞における副甲状腺ホルモンの影響"日本歯科保存学雑誌. 44(1). 132-139 (2001)
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[Publications] 門倉弘志,横瀬敏志 他: "マウス下顎切歯におけるPTH/PTHnP receptor mRNAの発現"日本歯科保存学雑誌. 43(2). 572-577 (2000)