1999 Fiscal Year Annual Research Report
各種インプラントに形成された口腔内細菌バイオフィルムが周囲組織に及ぼす影響
Project/Area Number |
11671937
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
齋賀 美幸 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80274231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 哲雄 徳島大学, 歯学部, 教授 (90193432)
友竹 偉則 徳島大学, 歯学部, 助手 (70263853)
柏原 稔也 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (90274232)
岡 謙次 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (40253215)
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Keywords | インプラント / 口腔内細菌 / バイオフィルム |
Research Abstract |
インプラント周囲炎に関しては,その主な原因は負担過重と口腔内細菌によると考えられているが,明確な根拠を持つものはない.そこで本研究では,インプラント上部構造に口腔内細菌が形成するバイオフィルムが周囲軟組織に及ぼす影響を細菌学的手法と病理組織学的手法を併用することによって検討することを目的としている.本年度はまず,術者可撤式インプラントに付着しているプラークをサンプリングし,菌種の同定を行う方法を確立し,検討を行った.インプラント周囲溝,比較対照としてインプラント装着部位の同歯種の残存歯肉溝からプラークをディスポーザブルの白金耳にて採取した.また,義歯装着者は義歯粘膜面から綿棒を用い採取した.白金耳もしくは綿棒を0.05%チオグリコール酸ナトリウム含有PBSに攪拌し,菌液を作製した.対象とする微生物はプラークの総量として総細菌,通性嫌気性グラム陽性球菌で口腔内常在菌である口腔レンサ球菌とブドウ球菌,義歯性口内炎や日和見感染症の原因とされるカンジダの4種とし,これらの菌数と検出率を調査する.作製した菌液をスパイラルシステムにて血液寒天培地,ミティスサィバリウス培地,マンニット食塩培地、CHROMagarCandida培地に摂種し,37度で48時間培養後,コロニー数をカウントし,菌数を算出した.カンジダについてはコロニーの発色により菌種の簡易同定も行った.インプラント周囲溝は残存歯肉溝に比較して,菌数が少なく,ブドウ球菌,カンジダの検出率が低い傾向にあった. 来年度はさらにサンプルの採取を追加し,インプラント周囲の微生物叢について検討するとともに,これらの微生物を用いて各種インプラント材料に対するバイオフィルム形成能について検討していく予定である.
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