2000 Fiscal Year Annual Research Report
水熱処理アパタイトコーティングチタンの長期安定性について
Project/Area Number |
11671945
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Research Institution | IWATE MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 創造 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (60203139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 寛二 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (90018771)
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Keywords | チタン / ハイドロキシアパタイト / 陽極酸化 / 水熱処理 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
現在臨床において活用されている純チタンのインプラントは、osseointegrationが成立するまでに時間がかかり臨床における課題のひとつになっている。この課題を解決しさらに適応症の拡大を目的にチタン表面を陽極酸化し、その後水熱処理を行うことで表面にbioactiveなハイドロキシアパタイトの結晶をコーティングさせる手法(SA処理)が開発された。 今回、SA処理表面の安定性を確認するために緩衝液中に長期保存した試料表面の解析と表面における骨形成細胞の動態および石灰化過程について、in vitroにおいて石灰化能を有するラット骨髄細胞を用いて検討した。さらに材料表面上で、破骨細胞を培養しハイドロキシアパタイト結晶の崩壊・貪食について観察することを目的に実験を行った。以下に本年度の結果について報告する。 実験計画により、純チタンに対するSA処理を行った材料をTris-HClを加えてpH6.0に調整した0.9%のNaCl溶液に浸漬、保存し試料を作成した。材料表面の解析をSEM、XPSにて行った結果、浸漬7日まではハイドロキシアパタイト結晶の溶解は観察されなかったがそれ以降の試料は結晶内部に溶解が生じていた。また、Ca、Pスペクトルの結合エネルギーは低エネルギー側にシフトしていた。これらの試料に対する骨芽細胞による石灰化は、浸漬の有無に関わらず経時的に同様の所見を呈しSA処理の長期的な安定性が確認された。破骨細胞の形態観察でも、浸漬の有無による差は認められず、結晶に対する細胞の動態は浸漬前後で変化がなかった。以上のようにSA処理による結晶は、一般的なハイドロキシアパタイトのプラズマ溶射による結晶で観察される様な著しい崩壊は認められず、培養細胞に対して長期的に安定していることが示唆された。
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