1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672044
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 宗雄 大阪大学, 歯学部, 助手 (90263300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 美樹 大阪大学, 歯学部, 助手 (20263303)
雫石 聰 大阪大学, 歯学部, 教授 (00028789)
埴岡 隆 大阪大学, 歯学部, 助教授 (00144501)
高谷 桂子 大阪大学, 歯学部・附属病院, 医員
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Keywords | ブラッシング / 機械的刺激 / 歯ブラシ / 歯肉微小循環機能 / ポケットデプス / 歯周ポケット / 細菌叢 / ペーパーポイント |
Research Abstract |
ヒト歯周炎に対するブラッシングによる機械的刺激の長期的臨床効果を評価するため,3〜4mmの浅い歯周ポケットをもつ被験者に対し1ヵ月の実験期間を設け,家庭において通常のブラッシングに加えて歯肉に対する機械的刺激を行ってもらい,歯周組織の臨床評価,歯肉微小循環機能および歯周ポケット細菌叢の変化を調べた。家庭で行うブラッシングは,普段のブラッシングを全顎に対して行った後、実験部位の辺縁歯肉および付着歯肉に対して,歯肉損傷を最小限にするために毛先の先端形態がボール状の歯ブラシを使用して歯ブラシ圧を約200gで10秒間刺激するように指示した。歯ブラシ圧を約200gにする練習は実験に先立って,診察室で歯ブラシ圧指導装置を用いて行った。実験期間終了後,機械的刺激を加えた部位の歯肉に損傷は認められなかった。また,実験部位のポケットデプスおよび歯肉溝滲出液量の改善は,機械的刺激を加えなかったコントロール部位に比べて大きかった。しかし,歯垢指数および歯肉微小循環機能の変化に大きな差は認められなかった。また,ペーパーポイントにより採取したプラーク中の歯周病原性細菌の同定をPCR法を用いて行ったが,実験期間の前後両方で細菌を検出できなかった。以上の結果,毛先の先端形態がボール状の歯ブラシを使用することで家庭内においても歯肉損傷の危険性がなく機械的刺激を行えることが確認され,通常のブラッシングに加えて歯肉刺激を行うことで歯肉炎症の改善が促進される可能性が示唆された。今後,実験期間を3〜6ヵ月に延長した場合の臨床効果を観察したい。また,ペーパーポイントによるプラーク採取では,細菌の検出力が低い可能性も否定できないため,新たなプラーク採取方法も試行したいと思う。
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