1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672048
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 登志子 岡山大学, 歯学部, 助手 (10304320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 誠士 岡山大学, 歯学部, 助教授 (00173881)
壷内 智郎 岡山大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80243484)
下野 勉 岡山大学, 歯学部, 教授 (40028783)
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Keywords | 面接技法 / 模擬患者 / 医療面接 |
Research Abstract |
近年,医療従事者のコミュニケーション能力が求められるようになってきており,医療者教育において模擬患者を活用した面接技法教育が注目を浴びてきている。しかしながら歯科において面接技法教育は僅かしかなされていない。また,その効果についての研究もほとんど行われておらず,評価法の信頼性や妥当性も十分に検討されていない。そこで本研究ではまず,医療面接の評価法を検討したうえで,歯学部学生に対して模擬患者を活用した面接技法のトレーニングを行い,その評価法を用いてトレーニングの効果を測定することを目的とした。 平成11年度は,歯科における医療面接のシナリオ,ならびに観察者と標準模擬患者の評価表を作成し,標準模擬患者と医療面接を行い,作成した評価方法の妥当性と信頼性を検討した。対象は岡山大学歯学部臨床実習生(5年次生)25名と同大学歯科医師11名,計36名とした。36名全員に標準模擬患者を相手に医療面接をそれぞれ2ケースずつ実施した。1ケース毎に2人の行動観察者と1人の標準模擬患者が評価を行った。行動評価の信頼性を検討するために,1ケース毎の行動観察を行った2人一組の評価のカッパ係数とスピアマンの順位相関係数を求めた。標準模擬患者の評価の信頼性にはクロンバッハのα係数を用いた。また,評価の妥当性は臨床実習生と歯科医師の行動評価,および標準模擬患者の評価得点をt-testを用いて比較,検討した。その結果,行動観察者2人一組の行動評価のカッパ係数はそれぞれ0.63と0.52であり,スピアマンの順位相関係数はそれぞれ0.75と0.67(p<0.01)であった。また,行動評価,および標準模擬患者の評価それぞれにおいて,歯科医の得点の方が臨床実習生の得点と比較して有意に高い値を示した(p<0.001,p<0.05)。以上のことより,本評価法の信頼性と妥当性が示唆された。
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