2000 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体標識ヌクレオジトの合成法の開発並びに標識DNAと医薬品の複合体の解析
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11672117
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
川島 悦子 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (30057343)
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Keywords | 標識DNA / distamycin誘導体の認識 / [5'-^2H_1][5'-^<13>C]ヌクレオシド / 高ジアステレオ選択的 / (2'R)-2'-デオキシ[2'-^2H]グアノシンの合成 |
Research Abstract |
核酸に関連する疾患の解明及び治療には核酸の精密な構造解析および,核酸と医薬品の複合体の認識機構の解明を目的とし,前年度の検討で5'位を^<13>Cで特異的に標識したDodecamerの5'位周辺の構造解析の有用性を基盤とし,[5'-^<13>C]標識化DNA-Dodecamerとdistamycin誘導体との相互認識の解析,さらに,安定同位体標識ヌクレオシドの効率的合成法の検討を行った. 1.d-[5'-^<13>C][C*G*C*G*A*A*T*T*C*G*C*G]_2とdistamycin誘導体との相互認識の解析: 核酸とdistamycin誘導体の相互認識部位のうち5'位周辺の構造に関する研究を推進した.この複合体の^1H-^<13>C HMQC-NOESYを用いてC5'-H1'のクロスピークを観察し,distamycin誘導体を添加せず核酸のみのそれと比較した.その結果クロスピークのシフトが明らかとなったことから,核酸の5'位水素とdistamycin誘導体とが認識しあっていることが判明した. 2.[5'-^2H_1][5'-^<13>C]ヌクレオシド誘導体の新規合成法の開発:上記1.の結果をさらに 精密解析するためには5'-位のメチレンプロトンの一方の水素を高立体選択的に重水素置換した[5'-^2H_1][5'-^<13>C]オリゴヌクレオチドが有用であると考えられることから標記タイトルの検討を進めた.第一段階として[5'-^<13>C]ヌクレオシド誘導体の合成を行い継いで5'位の重水素化を行う経路を検討した.現在も検討中である.3.高ジアステオ選択的(2'R)-ならびに(2'S)-2'-デオキシ[2'-^2H]グアノシン誘導体の新規合成法の開発:重水素化試薬として重水素化トリブチル錫,重水素化トリストリメチルシリルシランを用いて2'-ブロモ-2'-デオキシグアノシン誘導体の還元的重水素化,菌を用いた高ジアステレオ選択的(2'R)-ならびに(2'S)-2'-デオキシ[2'-^2H]ウリジンの変換を検討した.その結果菌を用いた変換により>99:1の高立体選択的重水素化(2'R)-2'-デオキシグアノシンを得ることに成功した.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Etsuko Kawashima,Yuh-ki Naito,and Yoshiharu Ishido: "Highly Enantioselective Osmium Dihydroxylation of Unsubstituted Allyl N-Phenylcarbamate Using AD-mix Reagents"Tetrahedron Lett.. 41. 3903-3906 (2000)