2001 Fiscal Year Annual Research Report
比較対照法による在宅要介護高齢者虐待の発生要因分析と介入プログラム開発研究
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11672349
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Research Institution | Osaka Prefectual College of Nursing |
Principal Investigator |
臼井 キミカ 大阪府立看護大学, 看護学部, 教授 (10281271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長畑 多代 大阪府立看護大学, 看護学部, 講師 (60285327)
佐瀬 美恵子 大阪府立看護大学, 看護学部, 講師 (10305667)
津村 智恵子 大阪府立看護大学, 看護学部, 教授 (40264824)
中田 智子 医療技術短期大学部, 教授 (70271476)
松田 千登勢 大阪府立看護大学, 看護学部, 助手 (70285328)
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Keywords | 高齢者虐待 / 在宅要介護高齢者 / 要因分析 / 比較対照法 / 事例研究 / 電話相談 / 介入プログラム |
Research Abstract |
1.高齢者虐待事例への介入プログラムの検討 【方法】(1)諸外国の高齢者虐待研究者・政策担当官等との意見交換及び情報収集(2)事例研究会の開催(3)虐待事例介入のための研修の実施 【結果】(1)-1)ニューサウスウェールズ州の障害者・高齢者部局及び後見人局、ホーンズビー病院スーザンカール部長、その他地域の担当医等の専門職と会い、豪州の高齢者虐待の実態と介入システムについて情報収集・事例検討会・意見交換(1)-2)スウェーデン(ルンド大学)においてこれまでの研究結果の発表と情報交換(2)豪政府作成の啓発研修用ビデオを用いて事例検討会実施(3)介護支援専門員を対象とした事例介入のための研修を大阪府下で8回実施 介入では(1)自由、(2)安全、(3)最小限の生活様式、(4)最も非制限的なケアの選択の4つの原則を同時に満たすべきであるが、対立する時は(1)から(4)の順序で優先度が高いこと、通報義務制度をあえては採用しないという結論に至った経緯などを知ることができ、権利意識や個人主義の思想が未熟なわが国の実状を踏まえた介入方法開発の必要性があることが明らかになった。 2.「高齢者虐待防止110番」開催とその結果の分析 【方法】電話相談を開設し、昨年の第1回目と合わせた相談記録票49件を分析 【結果】性別内訳は男性4人、女性45人、平均年齢は66.0歳であった。一人当たりの相談時間は平均26.5分であった。相談者の続柄は高齢者自身は23人と全体の5割を占め、次いで娘15人であった。虐待が疑われたのは24人であり、経済的虐待に次いで身体的虐待が多かった。既存の高齢者相談機関のPRの徹底と、早急に常設の高齢者虐待相談窓口を設置する必要性がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 臼井キミカ, 黒田研二, 佐瀬美恵子, 津村智恵子, 大谷昭, 中田智子, 柴尾慶次, 大國美智子: "電話相談にみる高齢者虐待の実態と相談活動の波及効果"日本老年社会科学会(第43回大会). Vol.23(2). 164 (2001)
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[Publications] 臼井キミカ: "高齢者の虐待-虐待を疑うサインと対応-"エキスパートナース. Vol.18(5). 98-99 (2001)
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[Publications] 臼井キミカ, 佐瀬美恵子他: "高齢者虐待の早期発見マニュアル(仮題)"朝日新聞厚生文化事業団. 50 (2002)
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[Publications] 津村智恵子編著, 臼井キミカ分筆: "改訂地域看護学(第3章II第2節第2項 P259〜266)"中央法規出版株式会社. 379 (2002)