1999 Fiscal Year Annual Research Report
歪んだ親子関係の世代間伝達を克服するための要因の解明とその育児支援の検討
Project/Area Number |
11672372
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
楢木野 裕美 大阪大学, 医学部, 助教授 (90285320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 敦子 大阪大学, 医学部, 助手 (70314383)
鎌田 佳奈美 大阪大学, 医学部, 助手 (30252703)
鈴木 敦子 大阪大学, 医学部, 教授 (50196789)
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Keywords | 親子関係 / 世代間伝達 / 内的ワーキングモデル / アタッチメント / 子ども虐待 / 親準備性 / 対児感情 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
今年度は、「歪んだ親子関係の結果、不安定な内的ワーキングモデルを形成している母親と子どもについての基礎的調査を行う」という研究目的に沿い、まず文献研究を行った。同時に、本研究に参加意思をもつ看護婦・助産婦・保健婦を対象に、我々が子どもの養育に問題をもつと懸念している妊婦・褥婦・母親の実態の検討し、母子関係の世代間伝達に関係すると考えられる概念についての勉強会を行った。 その結果、本研究では、アタッチメント理論の内的ワーキングモデルの考え方を主軸に置き、子ども虐待の家族・社会的な背景要因を加えて質問紙を作成し、質問紙調査を行うことにした。調査内容は、対象者の基本的属性の項目に子ども虐待の家族・社会的な背景要因を加え、戸田の内的ワーキングモデル尺度、親準備性尺度、花沢の対児感情尺度を使用して質問項目を設定した。調査対象は、妊娠期にある母親については、妊娠初期、中期、後期の妊婦、育児期にある母親では、出産のために入院した産褥早期の母親、保健センターに子どもの3または4か月検診に来所した母親とし、質問紙調査を開始した。現在、妊娠初期68名、妊娠中期202名、妊娠後期369名からの回答があり、データの入力・分析中で、調査対象の内的ワーキングモデルを分類した段階である。また、育児期については、検診時に配布・回収しているところである。 今後、歪んだ親子関係の克服の要因を導きだすべく、質問紙調査の分析を行い、次年度の研究につなげていく。
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