1999 Fiscal Year Annual Research Report
短時間・高強度運動時および回復期の二酸化炭素過剰排出
Project/Area Number |
11680010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
矢野 徳郎 北海道大学, 教育学部, 助教授 (80200559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平木場 浩二 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (70173226)
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Keywords | NaHCO_3投与 / 重炭酸イオン / 乳酸 / CO_2分圧 |
Research Abstract |
強強度の運動を行うと乳酸が生成される。乳酸は強い酸であるので、緩衝しなければならない。二つの緩衝系が伝統的に区分されてきている。その一つは重炭酸緩衝系である。この緩衝はCO2の過剰排出を生じる。本実験ではこの緩衝系の資源を増加した場合にCO2過剰排出が如何に影響されるかを検討した。7名の健康な男子、被験者が40秒の317±35wattの運動をNaHCO3とCaCO3を経口投与(体重当たり0.3gの量)した2回の場合において行った。血液を指先より採取してPo2,Pcc2,pH,ヘモグロビン,乳酸(La)を測定した。Pco2の影響をなくすようにHCO3_-(stdHCO3_-)を計算した。酸素摂取量と二酸化炭素排出量の差を運動開始時から差が零になる時点まで加算した量をC02過剰排出量(CO2excess)とした。stdHCO3_-はNaHC03投与群で有意に増加した。また、Laの増加量は両群で差がなかったにも関わらず、安静時から運動回復期の10分時までのその低下量はNACH03_-投与群で大きかった。したがって、NaCHO3_-投与群で重炭酸系の緩衝能が増加したと考えられた。しかし、Pco2の安静時から運動回復時への低下量はCaCO3投与群で大きかった。これは、pHの低下を抑制している呼吸性の代償作用が働いたために生じたと考えられる。以上の反応から、最終的に生じたCO2excessは両群間で差が生じなかった。
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