1999 Fiscal Year Annual Research Report
住み手が創るわが町・わが村の住生活像と住情報交流に関する研究
Project/Area Number |
11680115
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
久保 加津代 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (50214987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勝 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (70202174)
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Keywords | 住情報 / 住教育 / 住宅マスタープラン / 自治体 / まちづくり / 生涯学習 / 地域性 / 住生活像 |
Research Abstract |
平成11年度の検討課題のために、以下の2つの調査活動を実施した。(1)都道府県・政令指定都市の「住宅マスタープラン」報告書の分析 (2)大分県九重町や北海道当麻町をはじめ、地域住民の主体的な参加を強く意識して「住宅マスタープラン」の策定・実施にとりくんでいる市長村の住宅政策担当者を対象にヒアリング調査。 その結果、都道府県等の「住宅マスタープラン」では、(1)ワークショップの実施、策定委員に公募の住民を入れる、オリジナル調査を実施する、など、住民参加をめざし、(2)情報の公開につとめ、「住宅相談」「住宅フェア」などは、一定の効果をあげている、(3)「住宅白書」「住まいの博物館」「住教育推進協議会」など都道府県の役割を意識した構想もみられた。しかし、(4)住教育や住民参加については、「住民と連携」「地域主体」などの指摘にとどまっているものが多く、具体的な手だての検討はこれからの課題となっているものが多かった。市町村の「住宅マスタープラン」分析にあたっては、情報交流していく手だて、ならびに計画を進めていく過程での具体的な住み手のかかわり方、つまり、住教育や住民参加をどう具体化していくかが重要な視点になることが明らかになった。 その点、人口規模の小さな市町村では、(1)地域振興や福祉行政との連携もとりやすく、(2)きめ細やかな住民組織が機能している地域が多く、(3)熱心な行政担当者とのネットワークで、ユニークでたのしい住まい・まちづくりの展開が期待できることがわかった。 以上の活動結果から、平成12年度には、(1)「住宅マスタープラン」を策定している市町村の計画内容、(2)〔住宅マスタープラン」未策定市町村をもふくめて、地域の住生活情報交流の実態と課題、(3)自治体の住情報提供に関する住民ニーズ、を把握し、住情報交流システムを改善していく方法について検討していく。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 田中勝,金川久子,久保加津代: "自治体住宅政策における住情報サービスの現状と課題"日本建築学会技術報告集. 第10号. (2000.6)
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[Publications] 田中勝: "生涯学習時代の住まい・まちづくり教育"住宅会議. 第47号. 38-40 (1999)
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[Publications] 金川久子,田中勝: "高齢者を含む世帯の居住実態-高齢者の住宅改善のための住情報支援システムに関する研究 その1"日本建築学会大会学術講演梗概集F. 1319-1320 (1999)
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[Publications] 田中勝,金川久子: "高齢者を含む世帯の居住実態-高齢者の住宅改善のための住情報支援システムに関する研究 その2"日本建築学会大会学術講演梗概集F. 1321-1322 (1999)
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[Publications] 金川久子,佐野美紀子,田中勝: "住宅取得における住情報の入手実態-その1 住情報ニーズと利用評価"日本家政学会第51回大会研究発表要旨集. 255 (1999)
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[Publications] 田中勝,金川久子,佐野美紀子: "住宅取得における住情報の入手実態-その2 業者選びの実態"日本家政学会第51回大会研究発表要旨集. 255 (1999)
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[Publications] 久保加津代・田中勝: "住宅マスタープランにみる住民参加と住情報サービスに関する調査報告所-都道府県および政令指定都市の住宅マスタープランを対象として-"大分大学久保研究室・山梨大学田中研究室(私家版). 94 (2000)
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[Publications] 田中勝ほか: "甲州 すまいづくり読本(第2班)"住宅金融公庫南関東支店. 112 (2000)