1999 Fiscal Year Annual Research Report
環境にやさしい食材利用-「ケナフ」の老年期の食事への利用
Project/Area Number |
11680156
|
Research Institution | Kobe Women's Junior College |
Principal Investigator |
森下 敏子 神戸女子短期大学, 食物栄養学科, 教授 (70125144)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 寛 神戸女子大学, 名誉教授
岡田 祐季 神戸女子短期大学, 食物栄養学科, 助手
細見 和子 神戸女子短期大学, 食物栄養学科, 講師
|
Keywords | ケナフ乾燥葉 / カルシウム / 食物繊維 / 破断強度 / NDF法 / 過マンガン酸カリウム滴定法 |
Research Abstract |
環境改善の効果をもたらすとされるケナフは衣・住の分野では利用法が開発されているが、食の分野における研究はあまり行なわれていない。本研究ではケナフを食品の調理に利用し、その調理性および嗜好の変化について検討した。 1、ケナフの知名度のアンケート調査を学生193名により行なった。その結果知名度は8%、食への利用状況についての認知度は0%であった。 2、ケナフ乾燥葉の成分測定 ケナフ葉は一般成分として、カルシウムと食物繊維を多く含むとされるために、成分分析を行なった。過マンガン酸カリウム滴定法によりカルシウムは641mg/100g、NDF法により食物繊維は26.35mg/100g含有されていることを認めた。 3、ケナフ乾燥粉末の食品への添加 (1)小麦粉への添加 強力粉へ添加しパンを焼成し、中力粉へ添加し麺を調製した。さらに薄力粉へ添加しスポンジケーキを焼成した。 (2)白玉粉への添加 白玉粉へ添加し、白玉団子を調製した。 (3)上新粉への添加 上新粉へ添加し、蒸しカステラを調製した。 各々について、レオメーターにより、破断強度解析を行なった。さらに色差計により色調の変化を検討した。調製に際しては、オーブン庫内温度センサーにより温度の変化を記録した。 ケナフ乾燥粉末を添加する場合、3%までが官能検査により良好であった。添加量が3%を越えると苦みが強く感じられ、示適濃度は1%から2%であることが示唆された。ケナフ添加により、カルシウムは約1.6倍、食物繊維は約2倍の増加が期待できた。 これらの物性測定、化学分析、ならびに官能検査との相関を分析し検討中である。 次年度はさらに乾燥方法や乾燥葉の抽出液の利用も検討し、さらに苦み成分としてのカテキン類などの分析をHPLCにより進めていく予定である。
|