2000 Fiscal Year Annual Research Report
初等中等教育における生命尊重の心を育む実験観察や飼育の在り方に関する調査研究
Project/Area Number |
11680202
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
鳩貝 太郎 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総括研究官 (10280512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅埜 國夫 中村学園大学, 家政学部, 教授 (00132689)
下野 洋 国立教育政策研究所, 次長 (30142631)
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Keywords | 生命尊重 / 飼育動物 / 理科教育 / 学校獣医師 / 動物園 / 新動物愛護法 |
Research Abstract |
本研究では,学校飼育動物の現状と課題を明らかにし,生命尊重の教育の在り方を多角的に捉えるとともに,学校や動物園での生命尊重の心を育む教育実践事例を収集した。 1)小学校における飼育動物の現状と課題を,獣医師の訪問活動等が行われている地域(連携地域)と行われていない地域(非連携地域)とで調査した。その結果以下のことが明らかになった。 (1)両地域とも「長期休暇中の世話」がもっとも大きな課題であるが,その他としては連携地域では「児童への健康上の影響」「動物とのふれあい法」などが多く,非連携地域では「病気やけが」「餌の確保」などの飼育に関する基本的なことが多い。 (2)連携地域では9割が飼育動物に関する相談相手がおり,その相談相手は獣医師が大部分である。非連携地域では相談相手がいるのは5割弱でその相手が獣医師であるのはその2割ほどである。 (3)連携地域では獣医師会と教育委員会との飼育支援事業に対して評価が得られている。 2)生命尊重の心を育むためには,「生き物から学ぶ」「生き物について学ぶ」「生き物から学ぶ」という3つの視点から学校教育全体を通して計画的意図的な指導を展開することが必要である。 学校飼育動物は(1)生命力を養う自然体験のひとつである,(2)我と彼を教え共感を養う,子どもの自尊心を養い,社会性を身につける,(4)自発性を養う,などの効果が期待でき,愛情を伴う飼育体験を一層重視する必要がある。 教員志望学生及び教員に対して,動物飼育の体験を通した動物飼育に必要な知識の獲得,学習計画作成などの指導が必要である。 3)小学校,中学校における動物飼育や理科における観察実験の実践事例を8例紹介した。
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