1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680240
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Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
佐賀 啓男 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (30196109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ダーリング ブルース 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (80320480)
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Keywords | 近世文学 / 日本美術史 / 俳諧 / 文人画 / 蕪村 / デジタル教材 / インターネット / 新花摘 |
Research Abstract |
本研究は、高等教育機関で共通に用いることのできる文学・美術史分野のデジタル化された教材を開発し、その利用効果を検証することを目的とする。それによって、この分野のマルチメディア教材の不足を補い、今後のより組織的な開発のためのモデルを提供する。教材化の対象とするのは、近世中興期[宝暦から天明(1751〜1784年)]の俳諧と文人画であり、とくに、与謝蕪村とそのグループに着目することによって、詩と絵画の関連を強調した特色ある開発研究を行う。デジタル化のための資料は、書籍、書簡、絵画作品等であり、それらを静止画ないし動画に収め、それに書誌事項、翻刻、絵画解説等のテキストを対応させる。全体は俳諧部と絵画部に分れるが、それぞれの細部が有機的に関連するよう、ハイパーテキスト構造とする。また、テキストは日本語と英語の両方を用い、メディアはCD-ROMとウェッブ・ページ(インターネット)の両方とする。開発した教材は、教室場面とインターネット上の両場面で効果を検証し、改善のための示唆を得る。 今年度は、すでに収集してある俳諧、絵画両分野の資料の整理と目録化から始め、デジタル教材としての構造のデザインを行うとともに、まず佐賀のサイトにおいて、ウェッブ・ベースでの開発に着手した(http://www.nime.ac.jp/〜saga/buson.html)。このサイトのテキストは日本語と英語の両方で作成し、そこに静止画のイメージを加えている。サイトの全体は、蕪村に関する論考群、対象作品の目録部分、及び、目録中の主要な作品の解説付きの図録から成り、また、このサイトにアクセスする人が感想等を書き込める掲示板も用意した。なお、図録のうちの特定の資料については、より完全なデジタル資料を作成する計画であり、ダーリングがそれを担当して、蕪村原作、月渓挿画の句文集『新花摘』を対象に、その英文テキスト作成及び解説論文の準備を行ってきた。
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[Publications] Saga, Hiroo: "Digital transformation of words in learning processes : a critical view"Educational Media International. 36(3). 195-202 (1999)
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[Publications] 佐賀啓男: "一枚の写真をいかに「読む」か : BFI/OUの『メディア教育入門』から"視聴覚教育. 53(4). 52-53 (1999)
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[Publications] 佐賀啓男: "高等教育機関のネットワーク環境:ロンドン大学教育大学院とベニス大学日本学科"視聴覚教育. 53(5). 52-53 (1999)
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[Publications] 佐賀啓男: "効果的なオンライン・モデレーション"視聴覚教育. 53(6). 50-51 (1999)
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[Publications] 佐賀啓男: "メディア教育のキー側面とは何か:BFI/OUのメディア教育論文集から"視聴覚教育. 53(8). 50-51 (1999)
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[Publications] 佐賀啓男: "メディア教育開発センターのFD事業"IDE現代の高等教育. 412. 50-56 (1999)
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[Publications] ダーリング、ブルース: "施設に住む高齢者の「生活の質」と芸術の役割"九州保健福祉大学研究紀要. 1(印刷中). (2000)
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[Publications] 佐賀啓男: "伊藤秀子・大塚雄作編『ガイドブック大学授業の改善』"有斐閣、分担執筆簡単著「メディア利用の効用と限界」(226-231). 279 (1999)