1999 Fiscal Year Annual Research Report
日本の大学におけるコミュニカティブなカリキュラムの適用を奨励する言語習得新理論
Project/Area Number |
11680285
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
PIAIN William 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (40229133)
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Keywords | ペアー・グループ・ティーチング / 言語習得 / コミュニカティブ教授法 / 新パラダイム / 多規律の / 後期近代主義 / 動的システム理論 / 生態学的言語学 |
Research Abstract |
今回のプロジェクトは実用的なコミュニケーション教授法の確立を目指し、第1、第2言語習得を理解するための理論的根拠を提供するという目的の下で研究が行われた。初年度の成果は、オーストラリアの主要な大学と共同研究の提携を結んだこと、言語学や言語習得に適用可能な「パラダイム打破」理論の多規律研究を行ったこと、そして言語習得と教室管理に関する重要な理論の解明に成功したことなど、重要な進歩を遂げた。その詳細は、次のとおりである。1,アデレード大学(オーストラリア)で活発に研究活動中の研究者達に研究発表をした。その結果この研究に深い興味が示され提携が結ばれつつある。2,この研究の重要な点は、20世紀構造主義者と唯物論者の思想に対する後期近代主義者の反応が21世紀に向かってより深まる人間の必要性に答える新しいパラダイムに発展してきた方法論にある。習得理論と潜在的に関連するこのような思想の重要な原理のいくつかが孤立した状態にあった。3,後期近代非構造主義者のカリキュラムと習得管理へのアプローチは、これまで一般的に容認されていたが見直しが必要な理論と実践を明らかにした。4,多規律的状況における新パラダイムを調査し、影響力を増している最近の自然科学・生物科学の理論が、習得論と教室構成に適用可能なことを明らかにした。5,コミュニケーションと言語習得を理解する上で重要なシステム内の全ての構成要素の相互関連を強調している動的システム論に新しい展開が見られ認識、さらに自覚への新しいアプローチを導いた。6,オックスフォード大学とアデレード大学教授Peter Mul Hauslerによって展開された生態学的言語学理論は特にオーストラリアでの斬新な研究に刺激を与えた。この理論は、言語が社会や人間間の「生態環境」に埋め込まれていると見なす動的システム理論の重要な統合体である。これは、日本での教授法へ大きな適用性を持ち得る。
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