2000 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータ支援音楽教育から見た聴覚障害者の音感認識
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11680292
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
川島 光郎 筑波技術短期大学, 電子情報学科・電子工学専攻, 教授 (70258838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 正雄 中央大学, 理工学部・電気電子情報通信工学科, 教授 (60055126)
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Keywords | 振動音感認識装置 / 聴覚障害者音楽教育 / コンピュータ支援音楽 / リズム学習 / MIDI |
Research Abstract |
1.聴覚障害者の音楽演奏・評価環境の整備と基本データ収集(筑波技短大) 昨年度構築したパソコンベースのMIDI入力-マルチメディア出力表示システムを、聴覚障害者の音楽教育に応用し、学習課程を研究した.特に聴覚障害者同士でリズムを主としたアンサンブルを行うための訓練環境に、どのような視覚情報による演奏予測やフィードバックが適切かを知るための基本データを取得した。 単純なリズムを合奏することを想定し、手本の指示と応答との時間差を測定した。MIDIシステムを用い、手本リズムを視覚映像と音で提示し、それに合わせてMIDIドラムを叩くタイミングをデータとして取得した。被験者として聴力に差の有る障害者と、比較のため音楽経験に差の有る健聴者を採用した。 手本映像にカーソルで指示された予測情報を含む場合は、手本との偏差が小さく有効であった。また学習が進むにつれ、リズム構造を反映して、フレーズ内で演奏タイミングが周期的に手本からずれることが見出された。このようなリズム認識は聴覚障害者がリズムを学習する上で重要であり、周期的な繰り返し刺激では、予測情報を伴わない視覚情報やスピーカー音も同期信号として有効なことが分かった。 2.振動による音感認識装置の開発と評価(中央大) 昨年度に試作した、振動によるワイヤレス音感認識装置を、重度障害者のダンス訓練に応用する場合の基本特性を取得した.また音楽情報とくにリズムの伝達手段とする場合の周波数特性を解析し、ステップ練習に応用する場合の問題点を明らかにした。
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[Publications] 川島光郎: "聴覚障害者のリズム認識と学習"電子情報通信学会 信学技報. ET2000-99. 65-72 (2001)
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[Publications] 白井恵二,吉野博志,遠藤正雄: "難聴者を対象にした音感装置の開発および調査"2000年電気学会 基礎・材料・共通部門 大会講演論文集. 8-2. 186 (2000)