2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680583
|
Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
村上 定瞭 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00035065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 正美 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30043889)
柿並 孝明 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30224348)
清水 英男 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90043877)
林 知得 三菱重工業株式会社, 下関造船所・船舶海洋部・新製品課, 課長
西村 基弘 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30259931)
|
Keywords | 活性汚泥法 / 余剰汚泥消滅 / 亜臨界水反応 / リン除去 / シルト除去 |
Research Abstract |
1.研究目的 生活排水処理施設より発生する汚泥は廃棄物中最大の割合を占め、この処理に膨大な経費を費やしている。本研究の目的は生物処理施設より発生する汚泥を処理して生物槽へ返送し分解・消滅させる方法として、水熱反応を利用した汚泥消滅型生物法(以下,水熱・生物法)の開発を行うことにした。 2.研究成果 (1)余剰汚泥を亜臨界域の水熱反応により細胞を構成する高分子物質を、糖、アミノ酸、脂質などの基本単位物質又はそれらの数量体へ変換・改質して生物処理装置へ返送して微生物により分解・消滅させることが可能となった。 (2)水熱反応温度を100〜360℃の範囲で変化させ、回分水熱反応による余剰汚泥の処理特性を測定した。残留固形分と可溶化率、溶解性TOC・COD・BOD、処理液のpH、紫外可視吸収スペクトル、反応生成物質等を調べた結果、200〜260℃が最適温度であることが分かった。260℃を越えると、副反応が進行して難分解物質が生成することが分かった。 (3)水熱・活性汚泥法の処理特性 温度200℃、圧力1.5MPaの反応条件で余剰汚泥(平均MLSS 10,500mg/L,100mL/d)を水熱処理して原水と混合して曝気槽へ返送したところ、余剰汚泥は分解消滅し、従来法とほぼ同程度の処理水質が得られた。返送による曝気槽への負荷量の増加は10〜20%であった。 3.今後の課題 (1)本技術の実用化に向けて、小規模下水処理施設での実証実験を行うこと。(2)都市下水等では、BOD負荷が高く、余剰汚泥を水熱処理して曝気槽へ返送すると、曝気量の増加量が膨大となるので、水熱工程の後に嫌気工程を設けてメタンガスに変換し、処理汚泥返送によるBOD負荷の削減が必要である。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 村上定瞭,竹内正美: "電解・生物法による半導体用フォトレジスト原料製造廃液の処理"環境技術. 29・3. 207-214 (2000)
-
[Publications] 加納志保,竹内正美,村上定瞭: "ハイテク分野における難分解性工業排水"第7回シンポジウム「環境用水の汚濁とその浄化」論文集. 7. 58-61 (2000)
-
[Publications] 井町充孝,竹内正美,村上定瞭: "超音波を用いた余剰汚泥消滅型生物法の開発"第7回シンポジウム「環境用水の汚濁とその浄化」論文集. 7. 62-65 (2000)
-
[Publications] 奥田友章,石川宗孝,村上定瞭: "水熱反応による汚泥の可溶化処理"第7回シンポジウム「環境用水の汚濁とその浄化」論文集. 7. 72-75 (2000)
-
[Publications] M.Nishimura: "Inhibitory Effects of Carbohydrates on Esterase Biosynthesis in Streptomyces lavendulae H646-SY2"Journal of Bioscience and Bioengineering. 90. 564-566 (2000)
-
[Publications] 村上定瞭,竹内正美,西村基弘: "水耕栽培を併用したゼロエミッション型水産養殖モデルに関する実験的研究"環境科学会誌. 14(印刷中). (2001)
-
[Publications] 村上定瞭: "新しい水処理技術シリーズ(3)汚泥減量化と発生防止技術"エヌ・ティー・エス. 312 (2000)