1999 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入マウスにおける遺伝子機能発現と宿主遺伝子の相互作用
Project/Area Number |
11680821
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
毛利 資郎 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40117271)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石津 彰博 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90243930)
|
Keywords | トランスジェニックマウス / 内因性遺伝子 / 導入遺伝子発現 / プリオン蛋白遺伝子 / 遺伝子産物の相互作用 |
Research Abstract |
マウス由来のexson3のORFのSmal-BstEII間をヒト型プリオン遺伝子に変え導入遺伝子としたマウス・ヒトキメラ型Ygマウス(Mo/Hu+/-・w/w)を用いた。これらのマウスの内因性プリオン蛋白遺伝子を除くためにプリオン蛋白遺伝子欠損マウス(Prnp0/0)マウスに戻し交配を行いAblated Tgマウス(Mo/Hu+/-・0/0)を作製した。また、この過程で得られるTgマウス(Mo/Hu+/-・w/0)を内因性遺伝子の発現が1/2の群として考えた。Tgマウスにおけるヒト型のプリオン蛋白の発現とその量を調べるために半定量的ウエスタンブロットを行った。一次抗体として、抗N末合成ペプチドウサギ血清、B103(帯広大学、品川森一教授提供)、マウス・ヒトのリコンビナントTgの発現確認にはマウスモノクローナル抗体3F4を用いた。発色系はalkaline phosphatase-PCIB/NBT(Promega)で行った。 その結果、内因性マウスプリオン蛋白は産出されずヒト型のプリオン蛋白のみを発現するマウス、マウス・ヒトの両方のプリオン蛋白を産出するマウスがそれぞれ作製された。これらのマウスに散発性CJD患者10%脳乳剤20μlを脳内接種(i.c.)し、接種日を0日として、反応遅延、運動失調、削痩、無動などのマウスCJDの症状を呈し安楽死させる日までを潜伏期間として測定した。 継続実験中であるが、現在までのところマウス内因性の遺伝子発現産物が導入遺伝子のヒトプリオン感受性に対して抑制的に働くという結果が得られつつある。
|