1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11691016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 一般 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 久美子 名古屋大学, 文学部, 助教授 (80252203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 明子 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (70299155)
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Keywords | タイ・ルー / タム文字 / シプソンパンナー / 西双版納 / ラオス / 写本 / タイ / タイ族 |
Research Abstract |
中国におけるタイ・ルー族史料については、大きく分けて二種類の調査をおこなった。 ひとつは、タム文字で書かれた写本の調査である。まず、チェンマイ大学社会科学研究所がタム文字写本について調査した際の項目内容を参考に調査表を作成した。そして、タム文字写本に詳しい人々に依頼して、西双版納タイ族自治州内に存在する写本の状況について、現物確認をしつつ調査した。今年度は約7000点の写本についてデータを収集することができた。その多くが仏教関係のものであるのは、チェンマイ大学が調査した北タイのタム文字写本の状況と同様である。また、近年筆写された写本がかなり多く、中には、自らの経験に基づいてまったく新しい内容を記載したものも存在することがわかった。一方、データをどのように整理するかについても話し合いをおこなった。その結果、データベースを作成し、データ内容はタム文字で入力することになった。 中国におけるタイ・ルー族史料についてのもうひとつの調査は、1950年代に行われた調査の報告書中に表れる、漢字表記されたタイ・ルー語を、タイ・ルー文字(タム文字)に直す作業である。報告書は全12冊あるが、そのうち4冊の確認が終了した。その中にはタイ・ルー語との対応がわからないものも残っている。それは、もとの調査の段階で、調査者がインフォーマントの言うことの意味を完全に理解しないまま音訳をおこなったことに起因する可能性もある。 ラオスにおけるタイ・ルー族史料については、すでにラオス側でタム文字写本の調査が進められているので、その調査リストの中からタイ・ルー族のものと見られる写本をピックアップする作業を行った。タイ・ルー語の史料は、特にムアンシン付近で収集されたものが多いことがわかっている。
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