2001 Fiscal Year Annual Research Report
森林管理のプライバタイゼーションと環境政策に関する研究
Project/Area Number |
11691075
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大田 伊久雄 京都大学, 農学研究科, 助手 (00252495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋津 元輝 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (00202531)
山田 良治 和歌山大学, 経済学部, 教授 (00135831)
村嶌 由直 鳥取環境大学, 環境学部, 教授 (20012073)
足立 基浩 和歌山大学, 経済学部, 助教授 (30283948)
寺下 太郎 愛媛大学, 農学部, 助教授 (90314971)
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Keywords | プライバタイゼーション / 森林管理 / 東欧 / 国有林 / 私有林 / 環境政策 |
Research Abstract |
最終年度である本年は、イギリスにおける国有林改革の背景と実施の政策的経緯に関して調査を進める班(山田・足立)と資本主義への移行過程で森林管理のプライバタイゼーションを模索する旧東欧諸国の現状調査を行う班(秋津・寺下・大田)とが調査を行った。旧東欧班は補足調査の必要があり、6月の本調査の後9月にも自費による補足調査を行った。12月には3年間の調査総括のための研究会を行い、各自が分担して報告書の執筆に当たった。 英国班は、1979年以降の保守党サッチャー政権下での新自由主義に基づく森林管理民営化政策を分析し、林業委員会から分離独立した森林管理組織であるフォレスト・エンタープライズの役割と業績の評価を試みた。さらに、造林補助金が果たした役割を検証すべく計量経済学を用いたモデル分析を行い、広葉樹の造林に関して政府補助金が有意な効果を上げたことを統計学的に明らかにした。 旧東欧班は、ブルガリア・ハンガリー・スロバキアを訪問調査した。各国とも経済の民営化は進んでいるが、経済状況の差が森林管理の状況を大きく左右していることがわかった。社会主義時代にはソ連への農作物輸出が大きかったブルガリアでは、期待の農業が深刻な打撃を受けており、森林管理は国有林・民有林ともに十分な体制では行われていない。これに対してハンガリーは経済発展が順調で、また環境問題への市民の意識が高いこともあり森林管理は比較的良好である。スロバキアは両国の中間的な位置づけができるが、山岳林が多い国土条件から国立公園などの保護地区の設定が進んでおり、森林環境全般としては質の高いまま保存されている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 村嶌 由直: "イギリス:変貌する森林政策"Green Power. 7. 34-35 (2001)
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[Publications] 村嶌 由直: "中東欧諸国:市場経済移行10年 東欧の今"Green Power. 8. 34-35 (2001)
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[Publications] 村嶌 由直: "世界の木材貿易と環境問題"Green Power. 11. 34-35 (2001)