2001 Fiscal Year Annual Research Report
国際援助協力による社会経済開発のソーシャルインパクトに関する開発人類学的研究
Project/Area Number |
11691105
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
阿部 義章 早稲田大学, アジア太平洋研究センター, 教授 (20298201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 亞人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50012464)
西村 正雄 早稲田大学, 文学部, 助教授 (30298103)
小林 英夫 早稲田大学, アジア太平洋研究センター, 教授 (80052546)
笠井 信幸 秀明大学, 国際協力学部, 教授 (20204357)
菊地 京子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10161415)
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Keywords | 開発政策と概念 / 現地調査 / 基層文化 / 地域共同体 / 奏功性 / リーダーシップ / ソーシャルインパクト / NGO |
Research Abstract |
本年度は、菊地靖が特別研究期間で、米国ハーバード大に赴任したので、代表者を菊地靖から阿部に変更し、当研究活動を続けた。研究分担者により、それぞれ、文化効率の高い開発理論の構築、開発援助行政をめぐる諸アクターの共通認識の理論的調整を目指した、研究活動が進められた。 阿部は、インドネシア農村における、国際機関による灌漑プロジェクトがもたらした、農村女性の生活変化のミクロ分析を進めた。小林は、タイの都市近郊における、日系地域開発事業の社会的影響に関し、当該事業の恩恵から外れた住民による評価を分析した。カンボジアの地方議会選挙を舞台とした、開発援助資金の流れを調査した西村は、開発援助行政と国内政治との関係の構図に対する理解を深めた。韓国農村を調査した伊藤は、セマウル運動以後の住民主導による地域活性化の動きに焦点を置き、特に住民の組織とその活動の変遷と現状について聞き取り調査を行った。菊地京子は、フィリピン・ラグーナ州の農村における、マイクロ・ファイナンス計画の社会的影響について聞き取り調査を実施し、当該計画が、土地無し農民の生活向上、および意識改革に一定の効果を上げている実態を把握した。笠井は、中国上海浦東空港建設事業の、住民利益の追跡調査を行い、養老、医療補償などを得た反面、若者の新規就業機会では就職者と失業者の二極化が起こっていることを見出した。 菊地靖は、フィリピンの貧困地域開発に関し、政府経済開発庁(NEDA)が独自の評価法を有せず、諸コンサルティング会社に依存しているため、開発学研究所(PIDS)で、独自のODA事業評価方法を研究作成中であることを発見した。さらに、最貧困地域タギグで調査した"非血縁集団の共同体的色調"が、共同体開発を目指す、社会的・個人的動機のなかで浮き彫りにされる過程も検証した。また、研究成果取りまとめのため、ヴィリャコルタ博士を日本に招聘し、予定通り打ち合わせを行った。
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