1999 Fiscal Year Annual Research Report
平成11年8月11日の皆既日食による太陽コロナと地球磁気圏の観測
Project/Area Number |
11691140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 一般 |
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
桜井 隆 国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授 (40114491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北井 礼三郎 京都大学, 理学部, 助教授 (40169850)
黒河 宏企 京都大学, 理学部, 教授 (80135508)
一本 潔 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (70193456)
立原 裕司 九州大学, 理学部, 助手 (00227092)
湯元 清文 九州大学, 理学部, 教授 (20125686)
上野 悟 京都大学, 理学部, 助手 (70303807)
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Keywords | 太陽 / 太陽物理学 / 太陽コロナ / 皆既日食 / 太陽風 / 地球磁気圏 / 太陽観測装置 / 分光観測 |
Research Abstract |
1999年8月11日ヨーロッパを通過した皆既日食に3チームの観測隊を派遣した。国立天文台と京都大学はトルコのエラジ市にて観測した。国立天文台隊は北極域のコロナをターゲットにして分光観測を行い、8枚の良好なスペクトルを取得することに成功した。コロナの底部において電子温度200万度という、極域の温度としてはやや高めの結果を得ている。 京都大学隊は、口径15cm屈折望遠鏡、4種のフィルター、400万画素の高性能CCDカメラを用いて、1秒角の空間分解能でかつ3種類の異なる温度におけるコロナ構造のイメージの撮影に成功した。今後、人工衛星の同時観測データと併せて、約1万度から500万度程度にまで渡る、広範囲の連続的な温度構造分布を明らかにして行く。 九州大学隊は、皆既日食により陰と日照になった電離層の非対称な境界条件ができることに注目し、地磁気の5点観測を実施した。皆既日食の軌道沿いにある英国のハートランド、ハンガリーのナジャチェンク、南アフリカ連邦のハーマナス、イタリアのラキーラ、カメルーンのガロアである。かつて加藤らによって報告されていた皆既日食の陰による数時間の磁場変動の発生は北半球においては追認できたが、南半球では検出されなかった。この新しい観測事実は、磁気圏・電離圏物理学上の大発見で、数時間の磁場変動を引き起こす日食時の電離層電気伝導度などの変化は、反対半球に影響が伝わらない、即ち、皆既日食が起こっている片側半球の電離層内で閉じた電流系が形成され、沿磁力線電流として反対半球に流れない物理作用が地球電磁圏で起こっていることが明かにされた。
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[Publications] J. Singh. K. Ichimoto 他: "Spectroscopic Studies of the Solar Corona"Publ. Astron. Soc. Japan. 51. 269-276 (1999)
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[Publications] K. Ichimoto 他: "A New Imaging System of the Corona at Norikura"Publ. Astron. Soc. Japan. 51. 383-391 (1999)
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[Publications] H. Hara and K. Ichimoto: "Microscopic Nonthermal Plasma Motions of Coronal Loops in a Solar Active Region"Astrophys. J.. 513. 969-982 (1999)
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[Publications] T. Sakurai 他: "Emission Line Intensities of the Solar Corona and Sky Brightness Observed at Norikura : 1950-1997"Publ. Natl. Astron. Obs. Japan. 5. 121-137 (1999)
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[Publications] H. Wang,T. Sakurai 他: "Enhanced Coronal Heating and 3D Solar Magnetic Fields in AR 7321"Adv. Sp. Res.. 25(9). 1769-1772 (2000)
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[Publications] T. Sakurai and J. Shin: "Determination of the Point Spread Function of Yohkoh Soft X-ray Telescope"Adv. Sp. Res. 25(9). 1761-1764 (2000)