勤政殿の復原的研究-ヴィエトナム・フエ・グエン朝王宮の修復・保存方法に関する基礎的研究-

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11691158
• Research Institution: Waseda University
• Principal Investigator: 中川 武 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063770)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 白井 裕泰 共栄学園短期大学, 住居学科, 助教授 (40258926) ; 西本 真一 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10198517) ; 佐藤 滋 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60139516) ; 土屋 武 早稲田大学, 理工学部, 助手 (00318776) ; 中沢 信一郎 日本学術振興会, 特別研究員
• Keywords: 技術移転 / 阮朝 / ベトナム / 宮殿 / 修復 / 保存 / 木造 / 国際協力

Research Abstract

〔研究実績の蓄積の在り方]
3年計画の最終年度に当たる本研究は,過去2年間の基礎研究の継続に努めながら,総括的な研究のまとめを順次進めて行った.この基盤研究(A)は同一の研究代表者による,平成5年度からの3年間の国際学術研究「アジアの歴史的建造物の修復・保存方法に関する基礎的研究-南アジアと東南アジアの比較を通して-」と平成8年度からの3年間の国際学術研究「ヴィエトナム・フエ・グエン朝王宮の復原および修復・保存方法に関する基礎的研究」がその前身としてある.また,若手の研究分担者による関連研究計画に,科研費・奨励研究(A)「ヴィエトナム宮殿建築の木造架構法-ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究-」及び科研費・特別研究員奨励費「勤政殿の復原的研究 ヴィエトナム・フエ・グエン朝王宮の修復・保存方法に関する基礎的研究」と「勤政殿の復原設計に関する基礎的研究-ヴィエトナム・フエ・阮朝王宮の復原的研究」にあり,当該研究の成果はそれらの蓄積の上に立ったものである.
[研究実績の概要]
本年は,7月から9月の3ヵ月の期間に集中して現地調査の準備・実施・整理が進められた.現地調査は,総合調査の一貫として.京城と皇帝陵の配置測量,小規模宮殿建築の実測,保存センター設立の経緯,住宅の実測調査,宮殿建築群の細部意匠と漆技法,史料の読解と古写真の定点撮影,都市計画調査を試みている.
また,昨年3月にまとめられた第3次調査内容の日本建築学会梗概集による論文の発表が9月に行われ,本年3月を通じて第5次調査の一部が日本建築学会関東支部において報告され,また,2002年8月の学会発表に向けた研究成果の公開内容が検討されている.
例えば,京城の配置計画が皇城の配置計画に与えた寸法計画上の影響や,宮殿の木造架構に施される細部意匠の構成要素の分類が試みられた.その他,歴代皇帝陵の配置図の作成と寸法計画の分析,個々の宮殿建築の実測調査が引き続き行われ,推定遺構尺の検証が為されている.

Research Products

• [Publications] 中沢 信一郎: "京城の配置計画について ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その40)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 159-160 (2001)
• [Publications] 土屋 武: "紹治帝陵の配置計画(1) ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その41)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 161-162 (2001)
• [Publications] 中川 武: "勤政殿の復原的研究(IV) ヴィエトナム/フエ・院朝王宮の復原的研究(その42)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 163-164 (2001)
• [Publications] 中沢 信一郎: "フエ遺跡保存センターの保存活動について ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その43)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 165-166 (2001)
• [Publications] 坂本 忠規: "フエ周辺地域の伝統的住居の形式分類とその表現についてヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その44)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 167-168 (2001)
• [Publications] 白井 裕泰: "ニャットレー81番住宅についてヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その45)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 169-170 (2001)
• [Publications] 六反田 千恵: "フエ・阮朝建築遺構群の細部意匠研究5・肇祖廟における木部彫刻部位とその特徴 ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その46)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 171-172 (2001)
• [Publications] 六反田 千恵: "フエ・阮朝建築遺構群の細部意匠研究6・元渦紋形状の分類 ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その47)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 173-174 (2001)
• [Publications] 六反田 千恵: "フエ・阮朝建築遺構群の細部意匠研究7・漆塗り技法「ソン・ソン・テップ・ヴァン」の作業工程について ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その48)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 175-176 (2001)
• [Publications] 中沢 信一郎: "伊東忠太のヴィエトナム調査旅行について ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その49)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 177-178 (2001)
• [Publications] 坂本 忠規: "天授陵・孝陵・昌陵の配置計画 ヴィエトナム/フエ・院朝王宮の復原的研究(その50)"日本建築学会関東支部研究報告. (未定). (2002)
• [Publications] 六反田 千恵: "フエ・院朝建築遺構群の細部意匠研究8・木部彫刻と架構形式の関係ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その51)"日本建築学会関東支部研究報告. (未定). (2002)
• [Publications] 中沢 信一郎: "一棟式宮殿建築の設計方法の分析 ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その52)"日本建築学会関東支部研究報告. (未定). (2002)
• [Publications] 坂本 忠規: "阮朝漢喃史料の紹介とその活用方法 ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その53)"日本建築学会関東支部研究報告. (未定). (2002)
• [Publications] 中沢 信一郎: "『大南會典事例』「工部」にみられる建築と都市の記述1ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究(その54)"日本建築学会関東支部研究報告. (未定). (2002)