1999 Fiscal Year Annual Research Report
北アメリカ大陸におけるアジア関連温帯要素植物群の個体群統計遺伝学的研究
Project/Area Number |
11691175
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Section | 一般 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大原 雅 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90194274)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 英樹 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (90108001)
林 一彦 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (60121753)
河野 昭一 京都大学, 名誉教授 (30019244)
北村 系子 森林総合研究所, 生物機能開発部, 農林水産技官
高田 壮則 北海道東海大学, 国際文化学部, 教授 (80206755)
|
Keywords | 隔離分布 / 系統進化 / 遺伝的構造 / 個体群構造 |
Research Abstract |
本研究は、現在東アジアと北米大陸の両地域に適応放散し隔離分布を示す多くの近縁植物群に関しては、地域集団の時間的・空間的構造ならびに遺伝的構造を比較解析し、両地域で生活史を背景とした系統的制約(Phylogenetic constraint)と環境的制約(environmental constrait)の相互作用で生じた、多様な生態進化の実態を明らかにすることを目的としている。 初年度にあたる平成11年度、大原ほか4名は8月に北米西部地域のカスケード山脈からロッキー山脈にかけての野外調査を行った。そして、カタクリを中心としたユリ科植物に関する実験試料の採集を行い、rbcL遺伝子ならびにmatk遺伝子の配列を決定し、これまでデータを蓄積してきている系統解析を補強することができた。また、アイソザイム遺伝子を用いた集団の遺伝的解析に関しても、新たな多型遺伝子座の特定を行った。さらに、ロッキー山脈地域においてはロッキー山脈生物学研究所所長のAllison氏とともに野外調査を行い、調査区の選定を行った。一方、高田は10月にウッズ・ホール海洋研究所を中心に北米東北部の林床植物の野外個体群動態調査を行ったほか、個体群の時・空間的構造ならびに遺伝的構造との関係を明らかにするための、推移確率行列を用いた植物個体群動態モデルの確立を行った。 本年度はさらに3月に河野・林の2名が北米東南部におけるエンレイソウ属植物の野外個体群動態調査を行うほか、高田も再度渡米し、植物個体群動態モデルの解析を進める。来年度は、5月に北米東部地域、8月に北米西部地域におもむき、両地域に生育する多様な植物群の野外調査ならびに遺伝構造解析を行う予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Osaloo, K.: "Molecular systematics of Trilliaceae II."Plant Species Biology. 14. 75-94 (1999)
-
[Publications] Kitamura, K.: "Demographic genetic analyses of the American Beech (Fagus grandi folia Ehrh.) I."Plant Species Biology. 15(印刷中). (2000)
-
[Publications] Hayashi, K.: "Molecular Systematics of Lilium and alliedgenera (Liliaceae) I."Plant Species Biology. 15(印刷中). (2000)