1999 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリンによる血管平滑筋細胞の調節に関する研究
Project/Area Number |
11694307
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小山 英則 大阪市立大学, 医学部, 助手 (80301852)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西沢 良記 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00128745)
塩井 淳 大阪市立大学, 医学部, 講師 (90260801)
|
Keywords | 細胞外マトリックス / トロンボスポンジン / フィブロネクチン / αvβ_3インテグリン / 細胞遊走 / Subtraction cloning / 動脈硬化 |
Research Abstract |
動脈硬化症の発症・進展において、血管平滑筋細胞(SMC)の遊走・増殖などの形質変化が深く関与することが知られている。我々は、繊維性I型コラーゲン(CL)などの細胞外マトリックスとその受容体であるα2β1インテグリンが平滑筋細胞の増殖に深く関与することを報告してきた。今回、繊維性CLにより調節される遺伝子の発現調節を検討した。SMCを、単体・繊維性CL上で無血清培養し、24時間後に発現が調節される遺伝子をcDNA representational difference analysis法によりクローニングした。単体CLと比較して繊維性CLにより抑制される遺伝子の中に、fibronectin,tenascin-C,thrombospondin-1,Cyr-61の細胞外マトリックス蛋白がクローニングされた。単体CL上においては3時間以降から、thrombospondin-1,fibronectin,tenascin-C、collagen typeIの順で発現が誘導されたが、繊維性CL上ではこれらの遺伝子は誘導されなかった。Cyr-61は両CL上で早期に発現が抑制されたが、単体CL上でのみ12時間以降発現が回復した。Platelet-derived growth factorなどの成長因子はこれらの遺伝子発現を促進することから、繊維性CLの遺伝子発現抑制作用はインテグリン情報伝達系に特異的な作用と考えられた。fibronectin,thrombospondin-1は蛋白発現、細胞表面への沈着も抑制されていた。 thrombospondin-1はSMCの遊走を強力に促進したが、繊維性CL上で24時間培養したSMCにおいては、thrombospondin-1によるαvβ3インテグリン依存性SMC遊走が阻害されたことから、繊維性CL-α2β1インテグリンは細胞外マトリックスの発現だけでなく、その機能にも大きな影響を与えることが示された。
|
Research Products
(1 results)