1999 Fiscal Year Annual Research Report
反芻家畜における繊維 消化促進とメタン生成の抑制に関する研究
Project/Area Number |
11695071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
板橋 久雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (00280991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 修平 東京農工大学, 農学部, 助手 (20015118)
渡辺 元 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90158626)
田谷 一善 東京農工大学, 農学部, 教授 (60092491)
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Keywords | ルーメン / メタン / サリノマイシン / フマル酸 / テストステロン / 黄体形成ホルモン放出ホルモン / 黄体形成ホルモン / インヒビン |
Research Abstract |
本研究を始めるにあたり、平成11年5月に浙江大学を板橋が訪問し、研究全般にわたる打ち合わせを行った。その後、平成11年12月に浙江大学の葉均安講師と史占全講師を東京農工大学に招き、共同研究を実施するとともに研究交流を深めた。 メタン生成の抑制では、牛にサリノマイシン(SL)とフマル酸(FA)を添加給与し、効果を検討した。その結果、メタン生成はSL単独では約20%抑制され、SL+FA添加では約16%抑制された。また、繊維の消化率はSL単独添加では有意に低下したが、SL+FA添加では低下は認められず、ルーメン内のプロビオン酸の比率は高まった。これらより、SL+FAの添加で飼料中の繊維の消化を低下させることなくメタンを抑制できることが明らかとなった。 また、これらの添加物が反芻家畜の繁殖機能に影響を及ぼすか否かを調べるための研究の一環として、シバ山羊を用いて視床下部・下垂体・精巣機能調節について内分泌学的に解析した。その結果、テストステロンが主として視床下部・下垂体に作用して黄体形成ホルモン放出ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌を抑制し、糖蛋白質ホルモンのインヒビンが下垂体に直接作用して卵胞刺激ホルモンの分泌を抑制することにより成熟動物の精巣機能を調節していることを明らかにした。 次年度は、引き続き交流をはかり、計画にしたがって研究を深化させる予定である。
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[Publications] Takenaka,A.., H.Itabashi et al.: "Molecular cloning, expression, and characterization of an endo-glucanase cDNA from Epidinium candatum"Journal of General and Applied Microbiology. 45. 57-61 (1999)
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[Publications] 小林剛,佐藤博,板橋久雄: "ルーメンバイパスアミノ酸・脂肪の飼料添加が乳生産、ルーメン発酵および血漿成分に及ぼす影響"畜産試験場研究報告. 59. 17-23 (1999)
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[Publications] Araki,K., Arai,KY, Watanabe G., Taya, K.: "Involvement of insulin in the regulation of follicle-stimulating hormone secretion in the young adult male goat"Journal of Andrology. 21(in press). (2000)
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[Publications] 鎌田信一ら編(共著): "新版家畜衛生学概論"文永堂出版. 305 (2000)