日中における青少年期の基礎体力と競技力の比較研究 -超音波法による筋腱複合体の発育からみた適正トレーニング処方-

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11695089
• Research Institution: National Institute of Fitness and Sports in Kanoya
• Principal Investigator: 西薗 秀嗣 鹿屋体育大学, スポーツトレーニング教育研究センター, 教授 (10125338)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 金高 宏文 鹿屋体育大学, スポーツトレーニング教育研究センター, 助教授 (40214928) ; 山本 正嘉 鹿屋体育大学, スポーツトレーニング教育研究センター, 助教授 (60175669)
• Keywords: 青少年期 / 基礎体力 / 競技力 / 日中比較 / 筋腱複合体 / トレーニング

Research Abstract

発育過程にある青少年期には長期的視点からの適切な運動負荷(トレーニング)の重要性が指摘されている。平成12年度の研究では9から18歳までの男子を3群(およそ小学期、中学期、高校期)に分け、身長や下肢長等の形態、垂直跳びやリバウンド跳躍機能について1年間の変化を縦断的に測定した。リバウンド跳躍機能(跳躍高/接地時間)は神経・筋・腱の統合された能力を表すと考えられ、跳躍選手の記録の伸びに関係することが報告されている。中国は日本と比較し、跳躍能力が優れていると仮定し、発育期でのトレーニング効果をコントロールと比較し検討した。対象は競技群として中国の上海体育学院付属競技学校生徒男子(跳躍系種目:バスケットボール、陸上競技、中国武術、体操)とコントロールとして競技活動を行っていない普通科の小・中・高校生、計104名である。身長は普通科の小学期が1年間で最大8cm伸びた。下腿の周径囲は高校期の競技群が普通科群と比較し4cm太かった。垂直跳びは普通科群と較べ、小、中、高の順で差が大きく、伸びも同様で最大で6cm伸びた。リバウンド跳躍能力は小・中群で差が認められたが、1年間の伸びは少なかった。中国の跳躍系の競技選手のジャンプ能力はコントロールと比較し優れており、下腿腱の形態発育もよかった。しかしながら、下腿の腱長がパフォマンスに関してはさらに、検討を深める必要がある。

Research Products

• [Publications] 望月康司,西薗秀嗣: "アキレス腱長の特性"トレーニング科学. 12・2. 95-102 (2000)
• [Publications] 西薗秀嗣 他: "無酸素パフォーマンスと発育"日本人類学雑誌. (2000)
• [Publications] 大村靖夫,西薗秀嗣 他: "日本と中国の青少年の跳躍能力と下肢の形態に関する研究"合同学会大会 大阪2000論集. 377 (2001)